Wi-Fiのビジネス活用術(第8回)

多言語案内をしながら観光客の嗜好を情報収集

2017.01.11

クリップについて

 訪日外国人観光客の要望が多い無料Wi-Fiサービスや、外国語によるコミュニケーションの課題を解決し、いかに観光客を増やしていくか。そして、彼らの嗜好をつかみ、どうビジネスに生かしていくか。外国人観光客が持つスマートフォン(以下、スマホ)を媒介に、それを実現させる方法がある。それぞれの国の言語でタイムリーな情報を提供し、さらにデータ収集に役立てて観光客の満足度を高めるという施策だ。

無料Wi-Fi環境の整備を促進

 無料Wi-Fiに関する訪日外国人観光客の要望に対して、政府も手をこまねいていたわけではない。総務省では、訪日外国人のICT利用環境に向けたアクションプラン「SAQ2(サクサク)JAPAN Project」(2014年6月)を公表。訪日外国人に対して先進的なICT環境の整備をすることで、日本の多様な魅力への出合い、日本滞在の感動体験をサポートし、訪日外国人のさらなる増加とわが国の新たな発展への寄与をめざしている。

 具体的にはこうだ。無料Wi-Fiサービスや国内発行SIM、レンタル携帯電話、国際ローミングサービスなど、複数の通信手段が選べてリーズナブルに利用できる。空港や駅、公共交通機関、宿泊施設、観光地など、どこでも簡単に使える。先進的なICTを活用して日本語の壁を取り払う。このように、日本の魅力が伝わる高品質なICT利用環境の実現を目標に掲げている。

 そして、総務省・観光庁・電気通信事業者・エリアオーナー(各地域でWi-Fiサービスを提供)などが連携して無料公衆無線LAN整備促進協議会を創設。無料公衆無線LAN環境整備促進の取り組みの1つとしては、NTTBPによるスマホのアプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」が挙げられる。このアプリをスマホにインストールして1回登録を済ませば、ワンタップで全国約15万カ所(2016年12月19日時点)の無料Wi-Fiと接続できるようになる。

Wi-Fi利用者の情報をマーケティングなどに活用

 空港・駅、交通機関、公共施設、観光地などでのWi-Fi環境の整備が進む一方、海外・国内の観光客向けに、独自にWi-Fiのインフラを構築する例もある。佐賀県嬉野温泉では、自治体と地元ケーブルテレビ局が連携して、温泉街を訪れる観光客向けに無料Wi-Fiサービスを提供する。観光協会が用意した多言語のアンケート(旅行の目的、誰と来たか、この後、どこに行くかなど)に答えると、一定時間、無料でWi-Fiを利用できる仕組みだ。無料Wi-Fiサービスの提供とともに、海外・国内の観光客から旅の目的や観光施設・飲食・土産物などに対する情報を入手しているのだ。

 また、温泉街の旅館はケーブルテレビで多言語の観光案内情報を提供する。通信と放送を組み合わせて外国人観光客の取り込みを図っている。

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連載記事≪Wi-Fiのビジネス活用術≫

執筆=山崎 俊明

執筆=山崎 俊明

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