少子化時代を生き残る塾・予備校・専門学校のIT戦略(1)岐路に立つ塾。クラウド活用が生き残りのカギ

クラウド・共有 教育機関の変革 デジタル化

公開日:2015.09.18

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 教育関連市場は、若年層人口の減少や定員割れする大学の増加などによる教育ニーズの変化を受けて競争が激化している。塾・予備校、専門学校も淘汰(とうた)や合併が相次ぎ、業界再編が進んでいる。代々木ゼミナールが全国27校のうち20校を閉鎖したり、通信教育「Z会」で知られる増進会出版社が、学習塾や英会話学校を展開する栄光ホールディングスに株式公開買い付け(TOB)を実施したりしたのが象徴的なケースだ。

 代々木ゼミナールのような日本を代表する大手予備校が業務を縮小せざるを得なかった理由の1つとして、従来の受験ノウハウや大教室での講義スタイルが現代のニーズにマッチしなくなったことが指摘されている。

 こうした大教室型の伝統的な予備校が苦戦する中で、力を付けているのが個別指導型の塾・予備校だ。生徒1~4人に1人の講師が付き、進捗度や理解力に応じて個別に指導を行うスタイルで、授業料は高いものの子どもや親の満足度が高くシェアは拡大している。

 さらに最近、ITを活用した新しい教育サービスも目立ち始めている。既存の塾・予備校、専門学校だけではなく、ベンチャー企業など新しいプレーヤーが教育分野に続々参入している。その急先鋒(せんぽう)がリクルートの「受験サプリ」。サービス開始からわずか1年半で無料会員数が100万人を突破。有料会員も13万人(2015年5月時点)を超え、なおも成長を続けている。インターネットを通じてカリスマ講師の講義を月に1000円ほどで視聴できるサービスは、既存の塾・予備校、専門学校にとって大きな脅威となっている。こうした新興勢力が台頭する中で、塾・予備校、専門学校は生き残りを賭けた変革を迫られている。

現代の学習塾・予備校、専門学校が抱えている課題

 従来型の塾・予備校、専門学校の多くは以下のような数々の課題を抱えて、その解決策を模索している。

(1)生徒数を増やすため新しいエリアに教室を増やしたいが、講師の確保が難しい
(2)質の高い講師が少ないため教育レベルが落ちるリスクがある
(3)カリキュラム作成や授業などのノウハウ継承が難しい
(4)人気講師は引き抜きのリスクがあり、人件費が高騰しがち

 こうした課題を解決するために、大手を中心に塾・予備校、専門学校が採用しているのがクラウドを活用したeラーニング環境の整備だ。

クラウド型eラーニングを活用して競争力を高める…

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執筆=井上 隆文

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