税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第14回)

学校経営改善など教育分野の29年度補助金施策を紹介

2017.05.30

クリップについて

 小・中・高等学校や大学に限らず放課後児童クラブまで、多くの教育分野でICTの活用が課題になっています。政府は現在、学習環境の整備や、教務の効率化のために、ICTの導入を推進しています。平成32年度以降には、学校教育でプログラミングの必修化が検討されており、教育内容そのものがICTと密接に関わってきます。

 これまで企業の業務などに活用できる補助金について掲載してきましたが(連載記事第11回第12回第13回参照)、教育分野においても利用できる補助金があります。学校の立場からだけでなく、企業も参画可能な教育分野におけるICTの投資に関連する補助金などを紹介します。

ICTで生徒の指導から学校経営まで一括管理「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」

 1人1台のコンピューター環境や学習記録などを校務システムへつなげるなど、最新のICTを活用し学級経営・学校経営の見える化を進めて学校経営の改善を図っていくことを、政府は「スマートスクール(仮称)構想」と呼んでいます。この実現のために、平成29年度の総務省の予算では、「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」が計上されました。

 同事業は、児童や生徒が使用する授業および学習系システムと、教職員が使用する校務系システムを、安全かつ効果的に連携する方法を実証することを目的としています。教員がデータに基づいて生徒を指導したり、データを学校経営に活用したりするなど、ICTによる教育の高度化と学校経営の効率化の両立をめざしています。

子どもがICTを積極的に活用するための「情報通信技術を活用した学びの推進」

 スマートスクール・プラットフォーム実証事業は総務省の事業ですが、文部科学省でも似たような取り組みが行われています。平成29年度は、「情報通信技術を活用した学びの推進」という分野に5.2億円の予算額が計上されました。

 情報通信技術を活用した学びの推進は、文部科学省が平成28年度より掲げている「教育の情報化加速化プラン」という方針に基づくものです。加速化プランでは、ICTが日常的に使われる現代社会において、子どもたちがICTを受け身ではなく積極的に活用するために、ICTを効果的に活用した新たな「学び」を創出することを目的としています。

 情報通信技術を活用した学びの推進では、さまざまなICT施策が含まれています。平成29年度に新設されたものとしては、「次世代の教育情報化推進事業」(5200万円)と「次世代学校支援モデル構築事業」(1.3億円)があります。前者は情報教育・ICT活用の「推進校」を指定し、教科横断的な情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの実践的な研究を実施するものとなります。また後者は、校務データを学習記録データなどとつなげ、教員による学習指導や生徒指導などの質の向上や、学級・学校運営の改善を図ることをめざしたものです。

 そのほか、前年度からの継続事業としては、教員がICTを活用した指導ができるよう、教員養成課程を持つ大学と連携した研修プログラムを策定する「ICTを活用した教育推進自治体応援事業」(1.7億円)、人口過少地域における教育の質の向上を図る「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」(6800万円)が計上されています。

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連載記事≪税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ≫

執筆=北川 ワタル

執筆=北川 ワタルstudio woofoo

公認会計士/税理士。2001年、公認会計士第二次試験に合格後、大手監査法人、中堅監査法人にて金融商品取引法監査、会社法監査に従事。上場企業の監査の他、リファーラル業務、IFRSアドバイザリー、IPO(株式公開)支援、学校法人監査、デューデリジェンス、金融機関監査等を経験。2012年、株式会社ダーチャコンセプトを設立し独立。2013年、経営革新等支援機関認定、税理士登録。スタートアップ企業の支援から連結納税・国際税務まで財務・会計・税務を主軸とした幅広いアドバイザリーサービスを提供。

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