「情報漏えい、当社に関係なし」の嘘(第5回)複合機のデータが外部から「丸見え」

脅威・サイバー攻撃

公開日:2017.02.01

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 情報セキュリティー対策の重要性が叫ばれる昨今、何らかの対策を講じるのはもはや常識だ。しかし、対策が必要なのはパソコンだけではない。例えばオフィスの一角に置かれたファクスやプリンターなどの機能を備える複合機も、場合によっては重大な情報漏えいを引き起こす原因になってしまうのだ。

複合機に残ったデータが外部から「丸見え」に

 情報セキュリティー対策の目的は「情報漏えいを防ぐ」ことにある。その方法は各種あるが、基本的にはパソコン、サーバー、スマートフォンなどのいわゆる情報通信機器が対象だ。これらの機器はインターネットを通じて外部と通信するので、データが流出しないよう常に注意して対策を講じる必要がある。

 ところで、オフィスには上記のほかにもさまざまな機器がある。例えばコピー機やファクス、プリンターといった装置も通信機能を持った情報機器だ。最近ではこれらを一体化した複合機が広く普及しており、多くの企業で活躍している。

 この複合機が情報漏えいの原因となる事件が発生し、問題になったのをご存じだろうか。2013年、東京大学医科学研究所に設置された少なくとも2台の複合機で、個人情報がインターネット上で閲覧できる状態になっていたのが分かった。大学は直ちにアクセス制限などの対策を行ったが、日ごろから厳重に管理されていると思われていた教育機関で発生したことに加え、複合機という「盲点」を突かれた形が注目された。複合機の情報セキュリティー対策を指摘する声が高まっている。

対策の遅れが情報流出の被害を拡大…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=林 達哉

【MT】

あわせて読みたい記事

「脅威・サイバー攻撃」人気記事ランキング

連載バックナンバー

無料!おすすめのダウンロード資料

  • インボイス対応状況調査2022

    インボイス対応状況調査2022

    2023年10月1日に開始予定の「インボイス制度」。同制度は、課税仕入れ等に係る消費税額を控除する仕入税額控除のための新たな仕組みだが、企業においてはこれらに伴う社内システムの見直しなどが必要となります。本制度への対応状況について、企業はどのように準備をしているのだろうか。その最新動向について調査しました。

  • 電子帳簿保存法対応調査2023

    電子帳簿保存法対応調査2023

    2022年に施行された改正電子帳簿保存法。その猶予期間が、2023年12月31日で終了となります。多くの企業にとって、インボイス制度(同年10月スタート予定)も鑑みつつ、本制度が定める電子取引データの電子保存などに対応するための準備が喫緊の課題となります。では、企業はどのように準備を進めているのだろうか。その最新動向について調査しました。

  • 企業のDX対応意識調査2023

    企業のDX対応意識調査2023

    データの利活用にとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルの変革や経営革新の切り札として期待される「DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進。企業はその対応に向けて何を進め、どのような点を課題に感じているのだろうか。こうした企業意識について調査を行いました。

オンラインセミナー動画

人気
  • 新着記事

配信期間

配信期間:2023年9月15日(金)~2024年8月30日(金)

セキュリティ関連

【経済産業省サイバーセキュリティ課登壇】 サイバー攻撃に対して中小企業が取るべき対策とは