ビジネス課題を創造的に解決するデザイン・シンキング(第4回)ユーザーの生の声をデザインに落とし込むヤフー

業務・勤怠の管理 スキルアップ

公開日:2017.04.11

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 デザイン・シンキングもしくはデザイン思考として、知られる手法について具体的な事例を基に解説する連載の第4回。ヤフーの後編です。新しい情報サイトの開設とタブレットシステムの開発の具体的なケースを基に、ユーザーの生の声をデザインに落とし込むヤフーの取り組みを紹介します。

CASE STUDY 02 ヤフー(後編)
デザイン・シンキングの「社内伝道師」の育成

タブレット向けなど、全社を挙げて新しいネットサービスの創造へ

 ヤフーは全社でデザイン・シンキングを推進。ユーザーファーストで問題を解決するための思考法として社員にトレーニングを施している。

 ヤフーでデザイン・シンキングを活用した事例として、Tポイント・ジャパンと共同で行った「T-UNITプロジェクト」がある。「Tポイント」はカルチュア・コンビニエンス・クラブが展開するポイントサービスで、Tポイント・ジャパンは、そのサービス運営会社である。Tポイントの加盟店向けにPOSレジ代わりの使いやすい専用タブレットを貸与することで、加盟店の拡大を狙っていた。この専用タブレットの開発にデザイン・シンキングの手法を取り入れた。

貸与する専用タブレット

貸与する専用タブレット

 開発メンバーは加盟店に出向き、Tポイントのカードが実際にどのように利用されているかを観察した。レジでの店員と顧客のやり取り、業務の流れ、感情の変化などをさまざまな加盟店や時間帯で把握した。すると現場の運用は、混雑などの状況で加盟店や店員ごとに異なり、必ずしもマニュアルと同じ行動を取るとは限らないことが分かった。

 Tポイントカードを使用している顧客はもちろん、使わない顧客の様子も分析。カードで決済している途中でも、帰りのエレベーターが到着するとポイントの付与をキャンセルしてまでエレベーターに乗り込む顧客の姿もあった。

 こうして得られた気付きなどから共通項を探し、ディスカッションを続けて、プロトタイプ端末を開発した。しかしプロジェクトにかかわるさまざまな関係者にプロトタイプ端末を見せると、操作性などについて異なる意見が出てきたという。

 「ユーザーを実際に観察した開発メンバーは同じ考えだったが、違う見方をする関係者もいた。意見をまとめるためにも、プロトタイプ端末を加盟店に持ち込んで使ってもらう、フィールドテストを実施すべきと判断した」(スマートデバイス戦略室の藤原亮・クリエイティブディレクター/黒帯アプリUI)…

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執筆=日経デザイン編集部 大山 繁樹

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