注目のAIソリューション(第1回)

進化するコンタクトセンター。顧客対応をAIで

2017.03.15

 企業の総合的な顧客対応窓口として重要な役割を担うコンタクトセンター。最近、その能力を飛躍的に高める新技術が開発され、大きな話題になっている。そのキーワードはAI(人工知能)。進化を続けるテクノロジーが業務にどのような変化をもたらしているのか、実態を探ってみたい。

複雑・高度化するコンタクトセンターの役割

 コンタクトセンターは、顧客対応を専門に行う部署である。以前は主に電話を扱うことからコールセンターと呼ばれていた。現在は、パソコンやインターネットが普及したことによりメール、チャットなど電話以外にも対応する手段が増えた。そのため、この名称が使われるようになった。呼び方が変わるのと同時に、担当する業務にも変化が表れている。

 従来のコールセンターは、顧客からの問い合わせや苦情を受け付ける窓口としての役割が中心だった。最近は製品・サービスの内容を詳しく説明したり、顧客が抱えている問題を解決するために具体的な提案やアドバイスを行ったりするなど、より専門的な領域に踏み込んで対応する機会が増えた。これは市場の成熟が進み、顧客のニーズが多様化したことと大きく関係している。

 コンタクトセンターの運営で最も重視されるのは、顧客と直接向き合うオペレーターの能力だ。オペレーターの仕事は単に問い合わせを受け付けるだけではない。自社の製品・サービスに関する豊富な知識が必要なのはもちろん、相手の発言を正しく理解した上で、速やかに的確な回答を行う必要がある。この一連の業務がスムーズに進むことは顧客満足度を高めるとともに企業全体のイメージアップにもつながる。各企業は人材育成やシステム構築に注力し、コンタクトセンターを重要な経営戦略の拠点と捉え、さまざまな取り組みを行っている。

顧客対応を支援するAI

 コンタクトセンターにおけるIT活用を具体的な業務の流れから見てみよう。まず電話を受けるに当たって、多くのセンターでは相手の電話番号からデータベースを検索し、情報を自動表示する仕組み(CTI)が整備されており、オペレーターは相手の情報を見ながら対応できる。

 問い合わせに対する回答はセンターのデータベースに蓄積された情報(FAQ)を検索し、その中からふさわしいものを選ぶ。この機能は顧客対応の経験が浅く、製品・サービスに関する知識が乏しい新人オペレーターに有効であるとともに、常に最新情報を入手できることからベテランにとっても重宝する。ほかにも、対応内容を記録して顧客管理に役立てる仕組み(CRM)や、対応に関する各種の情報を分析するツール(データマイニング)などが提供されている。NTTグループをはじめとする電気通信事業者およびITベンダー各社は、これらのサービスをコンタクトセンターソリューションとして総合的に提供する体制を整備し、企業のニーズに応えている。

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連載記事≪注目のAIソリューション≫

執筆=林 達哉

執筆=林 達哉

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