中間管理職のための意思決定論(第3回)

大事な結論は「匿名」をうまく使って出そう

2015.07.01

クリップについて

 情報収集を終えると、いよいよ複数の選択肢から一つの結論を出す段階となる。結論導出のためにはメンバー全員での議論が不可欠だが、議論の場では、「目上の人」「声の大きい人」「話の上手な人」などに引きずられて冷静な判断ができなくなることも多い。このような事態を避けるために、リーダーは何をすべきか。

影響力のある人間が正しいとは限らない

 ある広告代理店で新しいビールのテレビCMを企画することになり、Aさんは企画チームのリーダーに抜擢された。そのビールはアイルランドのビールメーカーと共同開発したものであり、従来の国産品とは一線を画する味が特徴だった。この点に着目したAさんは、「従来のビールとは全く異なるというイメージを想起させるCMを作る」ことを目的とし、各メンバーに企画案を検討してもらい、会議で発表してもらうことにした。

 会議当日、メンバーの一人であるBさんは、「無名だが演技力に定評がある若手俳優が無言でビールを飲み続ける」という企画を提案した。この企画は当初、他メンバーからも好評だったが、会議の後半になるとなぜかこの企画を推す声が弱まり、結局別の企画を採用することになった。

 会議の後、なぜBさんの提案を推す声が弱まったのかをさりげなく他メンバーに聞いてみたところ、 … 続きを読む

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林 きのこ

林 きのこstudio woofoo(www.studio-woofoo.net)

1981年生まれ、京都大学工学部卒。米国研究開発型ベンチャー企業の研究マネジャー。新エネルギー開発プロジェクトを担当する一方で、経済や環境技術関係のコラム執筆も行なう

連載記事≪中間管理職のための意思決定論≫

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