読書でビジネス力をアップする(第18回)

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているか

2016.10.06

クリップについて

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?
木部智之著
KADOKAWA

 本書は、毎日の仕事をスピードアップさせるテクニックを、誰でも、すぐに実践できるレベルにまで落とし込んで紹介してくれます。

 具体的には、ショートカット、資料作成、メール、打ち合わせ、ノート、インプットはもちろん、思考の型やスキマ時間の使い方などにも及んでいます。

 ポイントは、これまで個人に委ねられ、ブラックボックスになってきた1つひとつの仕事のプロセスについて、早い人のやり方を可視化しているところです。いくつかでもまねれば、大きな差になります。

 毎日残業しているのに仕事が終わらない人がいます。一方で、サクサク仕事を終えて定時に帰り、成果を上げている人がいます。違いは小さなことの積み重ねです。

 分かりやすいのが、パソコンのショートカットです。これらは、会社や上司がいちいち教えてくれるものではありません。いわば、本人の意識と努力に委ねられていることです。

 実際、そこから生まれるスピードの差は僅かです。しかし、それを意識するかどうかの差が、大きな違いになってしまいます。結果として、思考や習慣の差になり、数年を経ると大きな違いになるのです。

 まずは、著者のやり方をまねてみることです。次に、自分なりのスピードアップの方法を工夫して、テクニックを編み出すことです。大事なことは、いつもスピードを意識して仕事をすることです。

 毎日残業している人、仕事がはかどらず、いつも仕事に追われている人など、自分の処理能力にいまひとつ自信が持てない人はもちろん、さらに仕事のスピードを上げたい人にもオススメです。

 本書を読んで、著者は「すごい」と思いました。何がすごいかといえば、これだけ作業のスピードにこだわって仕事をすることが、すごいと思いました。

 何せ、仕事のスピードアップのテクニックだけで、本を1冊仕上げてしまうのです。これだけの「スピード狂」であれば、仕事がどれだけ速いか、推して知るべしです。

あえてスピードアップが必要な状態に身を置く

 普通は、仕事など漫然と進めているのではないでしょうか?与えられた仕事を、与えられた時間でこなすだけで、より早く終える工夫など、あまり考えないのではないでしょうか。私はそうでした。

 思えば当時の私は、必要に迫られていなかったのです。早く終えれば、次の仕事が来るだけです。仮に早く帰れても、やりたいこともありませんでした。早く終える意識が低かったのだと思います。

 かくいう私にも、スピード狂になった時期があります。それは、会社勤めをしながら、自分のビジネスを立ち上げた「週末起業」の時期です。

 さすがに、会社の仕事のほかに、自分の仕事があるのですから、目が回るほど多忙でした。まず、残業は絶対にできませんでした。そのため、会社の仕事は猛スピードで終えました。

 帰宅後も、山のように仕事がありました。終業後の時間すべてと、朝4時起きで捻出した時間、あとは週末の時間を使って対応しました。時間的には、それ以上の捻出は無理でした。

 あとは作業時間を早めるしかありません。真っ先に取り入れたのは、マウスを使わないことと、ショートカットの習得でした。これは、今も役立っています。

 今は、当時ほど時間に追われていませんが、使えば仕事が早く終わります。実は、今もこの原稿を猛スピードで書いています。当時身に付けたテクニックは、こういうときに威力を発揮します。

 結局、スピードアップの技術を身に付けるうえで大事なことは、必要に迫られることなのかも知れません。ある時期、あえてスピードアップが必要な状態に身を置くことが大事なのかも知れませんね。

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執筆=藤井 孝一

執筆=藤井 孝一ビジネス選書WEB

ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。

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