戦国武将に学ぶ経営のヒント(第45回)

名君・家康をつくった『六韜(りくとう)』の教え

2019.02.12

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 戦国武将は、自分の判断1つで一族の、また国の命運を左右することが珍しくありませんでした。そのため、自らの知見を高めようと、多くの武将が勉学に熱心に取り組みました。その教材としていたのが中国の兵法書です。

 例えば、中国・春秋時代の武将だった孫武(そんぶ/紀元前535年? – 没年不詳)が書いた『孫子』は、武田信玄や毛利元就が兵法の心得を学んだ書として知られています。信玄の『軍旗』に書かれていた有名な「疾如風 徐如林 侵掠如火 不動如山」の文句も、孫子から取られたものです。

 今回は、孫子ほど有名ではありませんが、同じく兵法の名著である『六韜(りくとう)』をご紹介します。

 六韜は中国・周の文王に軍師として仕えた呂尚(りょしょう)による兵法書です。呂尚の別名は太公望といいます。今でも釣りの愛好家ことを“太公望”と呼ぶのは彼が釣り好きだったことに由来します。

 六韜を愛読していたのが、『三国志』で有名な蜀の初代皇帝・劉備。そして、日本の戦国時代を勝ち抜いた徳川家康です。家康の「天下は一人の天下に非ず。天下は天下の天下である」という言葉はよく知られていますが、これも六韜の一節にあるものです。

 六韜は、「文韜」「武韜」「龍韜」「虎韜」「豹韜」「犬韜」の60編から成る書。攻撃の要諦、陣の敷き方など具体的な兵法について書かれた編も多くありますが、白眉は君主のあるべき姿を説いた、今でいうリーダー論の部分です。

「問題の原因はリーダーにある」という認識… 続きを読む

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