中小企業のトレンド(第16回)

受注ポータル開設、東京五輪を飛躍のきっかけに

2016.10.20

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 日本選手の活躍に沸いたリオ五輪が閉幕。2020年の東京五輪開幕まで4年を切った。開催地の東京都は産業活性化の好機を生かそうと、中小企業支援に動き出した。過去の五輪でも、多くの中小企業が飛躍した。ビジネスチャンスをつかみ取ろう。

 日銀が2015年末に発表した試算では、2020年東京五輪の開催に伴う経済効果は25兆~30兆円になるという(14年~20年までの累計額)。今後、競技会場の建設、空港・道路などのインフラ整備といった大規模プロジェクトに限らず、さまざまな分野で中・小規模の案件が生まれてくる。開催地の東京都は、中小企業にとっての中長期的なビジネスチャンスと五輪を捉え、新たな取り組みを始めている。

受注機会拡大を支援

 東京都は2016年2月から「中小企業世界発信プロジェクト2020」を本格始動。その一環として、4月に東京五輪に関連する官民の入札・調達情報を一元的に集約したポータルサイト「ビジネスチャンス・ナビ2020」をオープンした。中小企業に発注情報などを提供し、受注機会の拡大を支援するのが目的だ。

 東京都や国、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、大手民間企業などの発注側が、入札・調達案件を掲載。中小企業はそれに対して概算見積もりの提出や、技術提案といった受注エントリーができ、それぞれ個別商談をして契約が成立するという流れだ。10月13日時点で、発注者・受注者の合計で3533社が登録。登録には一定の審査があるものの、全国どこの企業でも無料で登録できる。

 このサイトの特徴は、調達に限らず、技術ニーズ案件も掲載されている点にある。「物品・設備を何台」といった発注だけでなく、「製品開発に当たって、こんな金属加工をしてほしい」という情報も数多い。

 既にノベルティーグッズの作成、運営用パソコンの購入、広報用リーフレットの印刷や資材の購入などで中小企業が受注エントリーし、成約している。成約金額は10万~300万円が現在の相場感だ。一方で、中小企業からも試作品開発などの案件が発注されている。

 サイトを運営する公益財団法人東京都中小企業振興公社で中小企業世界発信プロジェクト事務局長を務める村西紀章氏は「特に組織委員会の調達情報はここでしか見られなくなる予定なので、受注するにはこのナビに登録するのが一番の近道。全国の中小企業のみなさんにこのサイトを利用してもらい、ぜひビジネスチャンスをつかんでほしい」とアピールする。

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