人生を輝かせる山登りのススメ(第13回)

テント登山に夢中になる6つの魅力

2016.07.28

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 本格的な夏山シーズンが到来です!読者のみなさんも、夏休みを利用した登山を計画している方が多いのではないでしょうか。この夏、私は北アルプスや南アルプスなど、いくつかの大きな山へ行く予定です。どこかの山頂でお会いするかもしれませんね。

 宿泊を伴うような大きな山に登る場合、泊まり方には大きく分けて2つの選択があります。1つは、山小屋(営業山小屋)に泊まる。もう1つがテント泊です。それぞれに長所・短所があり、状況によって使い分けることになりますが、今回はテント泊についてお話ししましょう。私が思うテント泊の魅力を6つの視点で紹介します。

1)山との距離が近くなる

 最近の山小屋は清潔で、かつ設備が整っていてとても快適。食事の用意もあり、寝るスペースも提供してくれます。疲れて到着しても食べて寝るだけ。こんなにありがたいことはありません。

 でも、山の醍醐味を存分に味わうなら、ぜひテント泊にチャレンジしてみてください。テント泊は山という大自然で、テントの生地1枚隔てられただけのスペースで寝るのですから、物理的に山との距離が近くなります。そして、そういう状況に身を置くと、心も自然に溶け込んでいくように思います。

 昨年の夏、北海道・日高の山へ行って、絶景が広がる場所にテント泊をしました。暗くなるまでテントから暮れゆく北の大地の山を眺め、朝は生地を通して入ってくる光で目覚めました。山に来た!という実感に満たされたことをよく覚えています。

 テントに落ちる雨の音、生地を揺らす風、沢の水音、朝の光。そういったありのままの自然を敏感に感じられるのがテント泊の最大の魅力でしょう。山の中で過ごす時間が、また格別に感じられます。

2)より冒険的な登山になる

 衣食住のすべてを背中のバックパックに詰めて山を歩く。山小屋(他の人)にお世話にならず、自分の好きなことを、自分だけの力で行う。つまり自己完結に近い形をとれるのが、登山のシンプルな魅力の1つだと思います。

 普段は感じませんが身の回りのものは便利にあふれていて、日常生活でもビジネスでも誰かの知恵や支えで生きているのが人間です。登山を、そうした便利をそいで自分と向き合える場とみる愛好者も少なくありません。自分の力で山に登り、自分で食事を作って、自分で立てたテントに寝る。登山の一切合切を自分の力でやるってすごいことだと思いませんか。自力で山登りをすることを目的にするテント泊には、より冒険的な楽しさを感じます。

3)自由な山旅を楽しめる… 続きを読む

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執筆=小林 千穂

執筆=小林 千穂

山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どものころに山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、現在はフリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』『ワンダーフォーゲル』など登山専門誌に多数寄稿するほか、山番組にも出演。著者に『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)などがある。2014年に南米のチンボラソ(6310m)に登頂。

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