人生を輝かせる山登りのススメ(第27回)南アルプス大縦走(前編)

スポーツ

公開日:2017.09.15

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 夏の登山シーズン、みなさんはどのような山登りを楽しみましたか?私は槍ヶ岳、穂高岳、富士山、那須岳などに登り、さらに今までにない大きな山登りをしてきました。今回はそのお話をしたいと思います。

一生に一度できるかどうかの大縦走

 その山登りとは南アルプスの大縦走です。南アルプスは長野・山梨・静岡の県境に、南北約120㎞にわたって連なる巨大な山脈。同じく日本の山系を代表する北アルプスや中央アルプスと比べても1つひとつの山が大きく、登るのが大変なことで知られています。

 私が歩いたのは南アルプス北端にある甲斐駒ヶ岳(2967m)を起点に、3000m峰最南端の聖岳(ひじりだけ、3013m)まで。途中には、南アルプスの女王と呼ばれる仙丈ヶ岳(3033m)、日本第二位・第三位の高峰、北岳(3193m)と間ノ岳(3190m)があり、さらには山脈中央部にまるで兜のような岩峰を突き出す塩見岳(3052m)、悪沢岳(3141m)、赤石岳(3121m)と3000m峰が連なります。

 歩行距離は約185㎞、行程内のすべての登りを合わせた累積標高差は登り約1万20m、下り約9915m(地図ソフトを使用し、2万5000分の1地形図上で計測)という壮大な縦走路を、予備日を含めて13日間、一度も山を下りずに歩き通しました。

 4月に行ったマナスルのトレッキング(第23回参照)が日本からの移動日と予備日を含めて12日の行程でしたが、今回のほうが登山の難易度が高く、それこそ、気力・体力が充実していないと達成できません。長年登山を続けてきた私にとっても、今までにないどころか、一生に一度あるかないかというほどの挑戦です。また、他の仕事を調整し、それだけの日数を山にかけることは簡単ではありません。やりがいのある大きな機会を得て、まずは甲斐駒ヶ岳に向かいました。

信仰の深さを知った甲斐駒ヶ岳…

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執筆=小林 千穂

山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。

【T】

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