人生を輝かせる山登りのススメ(第40回)

山行気分が味わえる秋のオススメ本(前編)

2018.10.26

クリップについて

 「山の文学」という言葉があるように、山登りは本との相性がいい趣味です。もちろんザックに文庫を忍ばせて登るのもいいですが、前後編に分けて日常から山の大自然へ誘ってくれる本を紹介します。家にいながら、著者の描く山の風情や空気を感じてみてください。

若き日の山

『若き日の山』(串田孫一 著、ヤマケイ文庫・山と溪谷社)
●電子書籍版あり

 随筆集である『若き日の山』は、哲学者であり随筆家でもある串田孫一氏の最初の本です。山岳文学のクラシックであり、名著として有名なのです。文章は絵画的で、胸がキュンとなるような山への憧れ、親しみ、畏敬を思い起こさせてくれます。わざとどこの山か分からないように固有名詞を伏せて表現したエッセーでは、かつて自分が行った山とイメージを重ね合わせる楽しみがあります。想像力を膨らませて、山の澄んだ景色、そこに流れる風、香りを楽しんでください。

 

シェルパ斉藤の世界10大トレイル紀行

『シェルパ斉藤の世界10大トレイル紀行』(斉藤政喜 著、山と溪谷社)

 シェルパ斉藤というペンネームで活躍する紀行作家・斉藤政喜氏が世界のロングトレイルを旅した紀行文です。軽快で読みやすい文章に、カラー写真が多く添えられていて、シェルパさんと一緒に旅をしているような気になります。ネパール、フランス・スイス、ニュージーランドなどの広い大地を歩いて、テントに横たわる。そして他の国から来たトレッカーたちとふれあい、一緒においしいものを食べる。世界を自分の足で旅するという、オトナの最高の遊びを教えてくれるでしょう。

 

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執筆=小林 千穂

執筆=小林 千穂

山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どものころに山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、現在はフリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』『ワンダーフォーゲル』など登山専門誌に多数寄稿するほか、山番組にも出演。著者に『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)などがある。2014年に南米のチンボラソ(6310m)に登頂。

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