人生を輝かせる山登りのススメ(第45回)

コース定数で山の体力的難度を「見える化」しよう

2019.02.15

クリップについて

 自分の体力に見合った山登りをするのが重要だということは、安全登山の基本であり、これまでの連載でもお伝えしてきました。しかし、山の体力的難易度はモヤッとしていて、事前にはイメージしづらいという人が大多数ではないでしょうか。今回はそんな悩みをすっきりと解決できる、客観的数値「コース定数」の話をします。

事前に登山の体力的な大変さを知るのは難しい

コース定数とは山の大変さを数値化したもの

初心者向きの高尾山(稲荷山コース往復)はコース定数13

 登山の体力的難度を判断するときは、ガイドブックに書かれた体力度グレードを参考にする、コースタイムの合計から予想する、登山口と山頂の標高差(累積標高差)を計算するなど、さまざまな方法が考えられます。

 ガイドブックには、体力度グレードとして「体力度=★★☆☆☆(★の数が増えるほど体力が必要なことを示す)」などのように分かりやすく表記されていることもあります。しかしそれは、一般的にガイドブック著者の経験による主観的なもので、本によってばらつきが出ることもあります。また、コースタイムから判断する場合、所要時間は同じでも急登が続く山と平たんなコースでは、体の負担も違ってくるでしょう。

 登山の大変さは距離や標高差のほか、コースタイムや必要となる荷物の重さなど、さまざまな要素が関わるので、これまでは客観的数値に表すのが難しいとされてきました。そんな中、登山の運動生理学を研究している鹿屋体育大学の山本正嘉教授らによって、登山の負担度を科学的な数値で表せる計算式が考案されました。その式から導き出した数値が「コース定数」です。

コース定数を計算してみよう… 続きを読む

続きを読むにはログインが必要です。
まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

SID : 00020045

執筆=小林 千穂

執筆=小林 千穂

山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どものころに山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、現在はフリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』『ワンダーフォーゲル』など登山専門誌に多数寄稿するほか、山番組にも出演。著者に『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)などがある。2014年に南米のチンボラソ(6310m)に登頂。

連載記事≪人生を輝かせる山登りのススメ≫

PAGE TOP

閉じる
会員登録(無料) ここでしか読めないオリジナル記事が満載
閉じる