ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第31回)

肩こり解消でゴルフも仕事もうまくいく

2018.02.09

クリップについて

 厚生労働省の「平成28年 国民生活基礎調査の概況」によると、日常生活で自覚している体の不調について、男性の第1位は腰痛、第2位が肩こり。女性の第1位が肩こり、第2位が腰痛です。ゴルフをしていて肩こりになったという人はまずいないと思いますが、肩こりだからゴルフがなかなか上達しないという人は少なからずいます。実は、肩こりの原因の多くがゴルフの上達を妨げる阻害要素なのです。肩こりが解消すれば、ゴルフの上達にもつながるということになります。そこで今回は、肩こりについて考えてみましょう。

肩こり解消は姿勢から。首と肩の柔軟性を高めましょう

現代の日本人に多い「姿勢の崩れ」

 肩こりは目や手先を酷使する細かな作業を長時間する人に多く、以下のような原因が考えられます。

・姿勢の崩れ
・運動不足
・血行不良
・眼精疲労
・ストレス

 肩こりの原因の中でも特に「姿勢の崩れ」は、ゴルフにも悪影響を及ぼします。より安定したゴルフスイングを身に付けるには「姿勢を正し、体のバランスを整えることが不可欠です」と、過去の連載で幾度となく述べてきました。

 姿勢が崩れてしまう理由の1つに、人体の大きな特徴である「頭が大きい」点が挙げられます。では、人間の頭の重さはどれくらいだと思いますか?

 体重が60kgの人であれば5~6kg、体重の約8分の1から10分の1といわれています。これは11~13ポンドのボーリングのボールとほぼ同じ重さになります。500mlのペットボトルなら10~12本分に相当します。こんなに重たいモノを首で支えているわけですから、首に大きな負担がかかるのもうなずけるでしょう。

 欧米の人たちと比べると、日本人は頭が大きく、かつ首から肩周辺の骨格がきゃしゃなため、肩こりになりやすいといわれています。日本では今、交通機関をはじめ生活がますます便利になっています。その半面、運動不足になり、かつパソコンやスマホなどの普及で前かがみの姿勢を取ることが増えています。こうしたことから、重たい頭を支えるバランスが悪くなり、姿勢が崩れやすくなっているのです。

姿勢の崩れはゴルフでもマイナス

 肩こりが発端の姿勢の崩れについてはいくつかパターンがあります。背中が丸くなり頭が前に出る「猫背」や、両肩が前に出て胸が狭まる「巻き肩」です。こうした姿勢を取ってしまう人は、肩甲骨周辺の筋肉が硬く、ゴルフスイングの際、体の捻転不足で飛距離が出ません。もしくは無理に飛ばそうとしてバランスが崩れ、ショットが不安定になる傾向にあります。

 ゴルフ雑誌のレッスン記事などで、「バックスイングで肩を回せ」という記述をよく見かけます。しかし、肩は胸郭の一部であって回すことはできません。この表現が意図することは、肩甲骨が背骨から遠ざかる方向に動くこと(水平外転)です。猫背や巻き肩の人は、肩甲骨を動かす背中の筋肉(主に僧帽筋)が常時引っ張られて硬くなっているので、肩甲骨を十分に動かすことができず、スイングに必要な体の捻転不足となるのです。

 また、首から肩にかけての筋肉が硬い人は、飛ばないだけでなく「ヘッドアップ」もしやすくなります。安定して飛ばすには、頭の位置や顔の向き、目線を安定させつつ、ボディーをより素早く回旋させる必要があります。それには首が柔らかくなければなりません。首の柔軟性が足りないと体と一緒に首も回ってしまい、ダフりやトップなどのミスが出やすくなります。

 姿勢を正し、首や肩の柔軟性を高めることが、ゴルフのあらゆるミスを軽減します。と同時に、飛距離を伸ばし、肩こりをも解消させることにつながるというわけです。1人の練習ではなかなか気付きにくいかも知れませんが、良いゴルフコーチなら、バラつきのあるスイングに対して、必要な柔軟性を指摘するでしょう。誰かに姿勢を見てもらう、というのはゴルフ上達の早道です。

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連載記事≪ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」≫

執筆=小森 剛

執筆=小森 剛ゴルフハウス湘南

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

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