ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第33回)

柔らかな股関節で仕事もゴルフも元気倍増!

2018.04.13

クリップについて

 平昌冬季オリンピックは、日本人選手の活躍で大変な盛り上がりを見せました。特に女子スピードスケート、中でも女子団体パシュートは、体格やパワーで劣る個人の力を見事にカバー、世界最強のスケート王国オランダを下して金メダルを獲得しました。

 ゴルフとは一見関係なく思えるスピードスケートですが、その滑走フォームとゴルフスイングには多くの共通点があり、特に、股関節や下肢の使い方が参考になります。今回は、スケートに興味のない方でも試したくなる下半身のトレーニング法をご紹介しましょう。

スピードスケートに学ぶゴルフスイング

 これまでの当コラムで、ゴルフスイングの要点はスタビリティ(Stability:安定性)とモビリティ(Mobility:可動性)、そしてキネティックチェーン(Kinetic chain:運動連鎖)の3つだとお伝えしてきました。安定すべきところは安定させ、動かすべきところは動かすこと。そして、それが可能となる体をつくること。また、体幹から発生したパワーを、胴体→腕→クラブへと増幅させながら伝える運動連鎖を実現すること。これらがゴルフの上達には不可欠なのです。

 では体のどの部位を安定させ、どこを動かせばよいのでしょうか?まとめると次の通りです。

◎安定性が求められる部位・・・体幹部、大腿部(太もも)、膝関節
◎可動性が求められる部位・・・肩甲骨、肩関節、股関節、足関節(足首)

鍛えられた下半身が推進力になるスピードスケート

 前回の「体幹部の安定性」に続き、今回は「股関節の可動性と大腿部や膝の安定性」についてスピードスケートの滑走フォームを見ながら解説したいと思います。私はスケートに関してはまったくの素人ですが、スピードスケートにおいても、この安定性と可動性が求められる部位はゴルフと同じようだと見ています。まずはスピードスケートの滑走フォームをご覧ください。

 空気抵抗を極力抑えるため、可能な限りの前傾姿勢を取っています。そして腕を左右に大きく振るわけですが、腕を右に振ったときは、右の股関節は大きく屈曲し、体重のほとんどが、この右股関節に乗ってきます。

 これは、ゴルフスイングのバックスイング時の動きに似ています。右打ちの人は、バックスイングで腕とクラブを右に大きく振り、それに引っ張られて上半身がねじれ、それを右の股関節で支えています。(左打ちの人は逆です)

バックスイングで股関節に体重がかかる

 バックスイング時に右の股関節で受け止めた体重を、ダウンスイングで一気に左股関節に移動させる、これがゴルフスイングにおける体重移動です。このとき重心(コア)は安定している必要があります。重心そのものを左右に動かすのは正しい体重移動ではありません。正しい体重移動とは、まずバックスイングで屈曲した右の股関節の「くびれ」で体重を受け止め、それをダウンスイング時に骨盤を左に回旋させることで、今度は左の股関節をくびれさせ、そこで体重を受け止めることなのです。

 左右の股関節に乗る正しい体重移動を実現するために求められるフィジカルが、股関節のモビリティ(可動性)と大腿部や膝関節のスタビリティ(安定性)です。スピードスケート選手の太ももはとても太く鍛え上げられていて、このフィジカルが特に強化されていると感じます。以下に、鍛えるべき部位とポイントを挙げておきましょう。

◎股関節の可動性を高める
体幹を構成するコアマッスルとして前回紹介済みの「腸腰筋」や、「深層外旋六筋」という股関節のインナーマッスルを鍛え、かつ大殿筋や中殿筋などお尻の筋肉の柔軟性を高める必要があります。

◎大腿部や膝関節の安定性を高める
太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋」や、後ろ側の筋肉「ハムストリングス」、そして「内転筋」という太ももの内側の筋肉を鍛える必要があります。特に「内転筋」は重要です。

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連載記事≪ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」≫

執筆=小森 剛

執筆=小森 剛ゴルフハウス湘南

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

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