一足お先に!IT活用でパワーアップ(第3回)

クラウドでBCP対策。システムとデータを遠隔地へ

2015.10.30

クリップについて

 人口約147万人を抱える政令指定都市・京都市は、大規模な災害の発生に備え、仮想化技術とクラウドを組み合わせて、情報システムを京都府内と府外の遠隔地へ2重にバックアップする先進的な ITBCP対策(ITに対するBCP対策)を導入した。

<京都市>

人口約147万人、面積約828平方kmの政令指定都市で、職員数は1万3188人(2015年4月時点)。1200年を超える歴史を持ち、15カ所の世界文化遺産、2000を超える神社・仏閣が市内各所に点在する。市域の約4分の3は山林が占め、自然にも恵まれている。国内はもとより世界から観光客が集まる観光都市であり、京都大学をはじめとする大学、研究機関が集結する学術都市でもある。

 「東日本大震災は、自治体における災害対策の意識を大きく変える歴史的な転換点でした」と京都市総合企画局情報化推進室の中村好宏室長は語る。「これまではデータのバックアップさえ取れていれば、障害が起きても復旧は可能という考え方でした。しかし東日本大震災を機に、大規模災害はデータのみならずシステム自体を完全に破壊してしまう可能性があると気付かされたのです」。

 「今の自治体は情報システムなしでは機能しません。市役所が機能しなければ、避難情報の発信や安否確認、罹災(りさい)証明の発行もできず、市民生活や経済活動に多大な影響を及ぼします。そのような事態を避けるために、想定を超える大規模災害が起きても情報システムとデータを確実に守れる仕組みが必要だと考えました」(中村室長)

 そのために、2014年に第一段階として京都市は、庁舎内の各部署や執務室に点在していた膨大な数のサーバーを、仮想化技術を使って1台のハードウエア上に論理的に分割し、複数のサーバーが稼働する形態に集約。NTT西日本が保有する京都府内のデータセンターへ移管した。そして、同一データセンター内にシステム環境を丸ごと一次バックアップして、障害が発生しても迅速に復旧できる環境を整えた。

 第二段階としてさらに、京都府内のデータセンターが被害を受けることも想定し、京都府から約520km離れた九州にあるNTT西日本のデータセンターで運用するクラウドストレージに、システム環境を遠隔地にバックアップする、二次バックアップ環境を構築した。

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執筆=井上 隆文

執筆=井上 隆文

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