実例で学ぶ!ドラッカーで苦境を跳ね返せ(第2回)

組織編 社員の主体性磨き売上高倍増

2015.11.26

クリップについて

 実例でドラッカーのマネジメントを学ぶ連載の第2回は、社員に仕事を通して成長を促すことに取り組んでいる企業を紹介する。組織を個人の成長と自己実現の場と考えるドラッカーの理論を実践すれば人材不足に悩むことはなくなる。

ドラッカーに学んだ先輩企業(2)「ビクトリアンクラフト」

●ドラッカーの言葉
「組織とは、個としての人間一人ひとり、および社会的存在としての人間一人ひとりに貢献を行わせ、自己実現させるための手段である」

(『マネジメント』〈下〉)

〈解説〉ドラッカーは、組織は社会的な手段、つまり道具であると位置付けた。道具であるからには必ず目的がある。第一に社会において特有の使命を果たすことである。第二に組織に属する一人ひとりの自己実現を助け、成長させることである。人は、組織の使命を果たすために役割を与えられ、仕事を通して成長する。スキルや知識を身に付けるだけではない。人として大きくなる。仕事が人格を形成する。人に成長の機会を与えることに真剣に取り組む経営者が人材に悩まされることはない。

 ビクトリアンクラフトは20年前に英国アンティーク家具の販売・修理業として長野県で創業。2003年よりアイリッシュパブを中心とした店舗プロデュースも手掛けている。同社がプロデュースした店舗は全国に200店以上あるが、1つも閉店していない。

 顧客が集まる店舗設計に強みを持つ同社だが、09年まで売り上げは伸び悩んでいた。店舗プロデュース業の開始に当たり数人だった従業員を20人にまで増やした。ところが結果が伴わない。創業以来伸びていた売り上げは2億円で頭打ちとなり、それ以上突き抜けられない期間が3年ほど続いた。

 斧隆幸社長は「人も増やして案件も受注できているのに、なぜ売り上げが伸びないのか。お前らがもっと頑張らないと駄目だ」と従業員を叱り続けた。社内の雰囲気は悪くなり従業員は定着しない。「何がいけないのか?」と斧社長は頭を抱えた。

組織は個人が学ぶ場… 続きを読む

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佐藤等公認会計士事務所所長、公認会計士・税理士、ドラッカー学会理事。1961年函館生まれ。主催するナレッジプラザの研究会としてドラッカーの「読書会」を北海道と東京で開催中。著作に『実践するドラッカー[事業編]』(ダイヤモンド社)をはじめとする実践するドラッカーシリーズがある。

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