システム構築のための調整力向上講座(第33回)

これからのリーダーの条件は影響力を持つこと

2018.06.14

クリップについて

 プロジェクトの成否は、「現場で人をいかに動かせるか」にかかっています。人を動かすには、相手が重視する価値を見つけて提供する「価値の交換」が必要となります。リーダーには、そのために使える「カレンシー」を探してためる努力が求められます。

 イントロダクションにおいて、現場リーダーが抱える7つのジレンマを紹介しました。ここでは、7つのジレンマの1つである「権限と責任のジレンマ」を取り上げます。現場リーダーにとって役に立つツールとなる「権限を伴わない影響力」について詳しく解説します。

 現場リーダーは、非常に大きな「果たすべき責任」を抱えています。プロジェクトを成功に導くには、プロジェクトメンバーだけでなく、関連部署や上司、経営層などあらゆる方面への働きかけが必要となります。にもかかわらず、現場リーダーには十分な権限が持たされてないことがほとんどです。さまざまなステークホルダーの間に立ち、利害を調整しながらプロジェクトを成功に導かなければならない――。こうした制約条件の下で、成果が求められる現場リーダーにとって必要不可欠な力が「影響力」です。

 プロジェクトに関係するステークホルダーの多くは、現場リーダーの権限が及ばない世界にいます。しかし、これら権限の及ばない人々から協力を得られなければ、プロジェクトの成功は期待できません。プロジェクトは、ステークホルダーを含む周囲からの協力があって初めて成立するものだからです。例えば、現場リーダーは次のような状況にしばしば直面します。

・人員の補充が必要だが、他のプロジェクトから引き抜くとそちらに迷惑をかけてしまう
・業務部門の協力を取り付けたいが、普段あまり接点がなく頼みづらい
・他部門へ依頼をする必要があり、上司から伝えてもらえれば簡単なのに、上司が動いてくれない
・報告書ばかり求めてくる上司をなんとかしたい

人を動かせない現場リーダーに成功はない… 続きを読む

続きを読むにはログインが必要です。
まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

SID : 00045033

執筆=芝本 秀徳

執筆=芝本 秀徳プロセスデザインエージェント代表取締役

プロセスコンサルタント、戦略実行ファシリテーター。品質と納期が絶対の世界に身を置き、ソフトウエアベンダーにおいて大手自動車部品メーカー、大手エレクトロニクスメーカーのソフトウエア開発に携わる。現在は「人と組織の実行品質を高める」 ことを主眼に、PMO構築支援、ベンダーマネジメント支援、戦略構築からプロジェクトのモニタリング、実行までを一貫して支援するファシリテーション型コンサルティングを行う。

連載記事≪システム構築のための調整力向上講座≫

PAGE TOP