雑談力を強くする時事ネタ・キーワード(第5回)スタートから約2カ月。マイナス金利の影響まとめ

雑学

公開日:2016.04.06

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 2月16日にスタートした日本銀行のマイナス金利政策。早くも2カ月が経過しようとしている。マイナス金利についてはさまざまな報道がなされているが、正確に把握しているビジネスパーソンは多くはないのではないか。まずは、マイナス金利政策の基本を復習しておこう。

 マイナス金利では、預金や債券に金利(利子)が付かず、逆に金利分が減ってしまう。需給で金利が決まる金融市場では、債券などでこうした現象が2000年代前半から生じていた。中央銀行でそれを景気の刺激策などに使うのが「マイナス金利政策」。世界的に見れば、日銀が初めてというわけではなく、デンマークやスイスなどが先行して実施している。

マイナス金利は金融機関が日銀に預けている当座預金の一部だけ

 「マイナス金利政策」といってもすべての預金や債券の金利がマイナスになるわけではない。日銀の場合、金融機関が預けている当座預金の一部で金利をマイナスにしただけ。個人や企業の預金がマイナス金利になって減っていくわけではない。

 金融機関は、他の金融機関や日銀とも取引を行っている。その場合の決済手段や個人・企業に支払う現金通貨の支払準備などのため、金融機関は日銀にお金を預けている。これが日銀の当座預金だ。

 日銀は、金融機関の当座預金の残高を「基礎残高」、所要準備額と貸出支援制度などの利用額に基礎残高の一部を加えた「マクロ加算残高」、当座預金残高から上記の2つの残高を除いた「政策金利残高」の3つに分類している。このうち「政策金利残高」の金利をマイナス0.1%にするというのが、今回のマイナス金利政策だ。残りの「マクロ加算残高」の金利はゼロ%。「基礎残高」には従来通り0.1%の金利が付く。

 日銀は、マイナス金利を2015年1月分の当座預金残高に適用した場合の試算値を公表している。それによると、対象となる「政策金利残高」の額は23.2兆円。これは、金融機関の当座預金全体の9%に当たる。

金融商品による資産運用に逆風、不動産市場には追い風…

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執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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