定型業務の支援サービス最前線(第1回)

マイナンバーを契機に注目されるBPO

2016.02.09

クリップについて

 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の効果は理解していても、いざ導入となると踏み切れないでいた企業も少なくないだろう。そんな企業がBPO導入を検討するきっかけとなっているのがマイナンバー制度だ。

 すでにマイナンバーの関連作業に着手している企業は多いと思われるが、その手間と手続きの煩雑さに苦しんでいるケースも目立つ。まず、従業員などからマイナンバーを収集する時には、厳格な番号確認と身元確認を実施することが求められている。収集した番号は人事や経理の担当者が源泉徴収・健康保険などの書類や支払調書に間違いなく付記する作業が発生する。そして今後、従業員が退職して当該マイナンバーを利用する必要がなくなり廃棄する際などにも適切な対応が求められる。このようにマイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」とされ、より厳格な取り扱いが必須になった。

 税や社会保障などの法制度が変わるたびに、人事・給与や経理、総務などの担当者は制度変更に習熟する必要が生じる。こうした専門的な知識を持つ人材を自社で育成し確保するのは容易ではない。それだけに、今回のマイナンバーの収集・登録などについては社内の人材に頼らず、事業者にアウトソーシングすることが有力な選択肢となる。それにより、業務の精度向上や、確認作業の手間が軽減されるなどのメリットも期待できる。

 マイナンバーは税と社会保障に関わるため、人事や経理、総務部門の業務負荷が高くなるだけでなく、人事・給与システムの制度変更への対応や、社員の個人情報を保護するセキュリティ強化なども求められる。専任のIT部門がない企業の中には、具体的にどうマイナンバーのセキュリティ対策を講じればよいのか分からないといった声も聞かれる。

 こうした状況の中、さまざまな事業者がマイナンバー対応を支援するサービスを提供している。さらにマイナンバー対応を契機に人事・給与業務やシステム運用そのものを一括してアウトソーシングする動きも広がっている。

従業員の健康管理業務をアウトソーシング

 マイナンバー以外にも、昨今、企業が対応を迫られている制度は数々ある。その1つが社員の健康管理だ。2015年12月1日、従業員のメンタルヘルス対策として労働者50人以上の事業場にストレスチェックの実施を義務付ける「改正労働安全衛生法」が施行された。

 従業員の健康管理に関しても、社内に十分なリソースを持つ企業は少ないことから、アウトソーシングの活用が有力な選択肢となりうる。実際、健康診断・人間ドックなど、医療機関との日程調整を含めた事務手続きを代行したり、メンタルヘルスに関するWebを使った問診サービスを提供したりする事業者が出てきている。従業員の心の健康について、Web問診で判定し、その結果を従業員にフィードバックするとともに厚生業務担当者に総合的な分析結果の提供までを行うサービスだ。

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執筆=山崎 俊明

執筆=山崎 俊明

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