定型業務の支援サービス最前線(第4回)

AIで非効率な仕事を見える化

2019.03.19

クリップについて

 限られた時間と人員でいかに効率よく成果を上げるか、さまざまな取り組みが進められている。期待されているのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AIといった最新テクノロジーによる定型業務の支援だ。今回はパソコンの操作ログを活用した、新たな支援手法を紹介しよう。

自分では気付かないパソコン作業の非効率

 オフィスワークをソフトウエアロボットに行わせるRPAは、労働時間短縮を実現する有効な手段の1つだ。毎日のデータ入力など、「誰かがやってくれればいいのに……」と考えていた社員にとっては、まさに大歓迎のテクノロジーだ。ただし、現在のRPAで自動化できるのは定型的な業務、つまり、あらかじめ一定のルールに基づいて繰り返されるパソコン業務に限られる。

 それでは、RPAに肩代わりさせる定型業務を切り出すのは簡単なのだろうか。答えは「No」。オフィスワークに従事する社員は、それぞれ自分のルールで仕事をこなしている。アウトプットが同じでも、AさんとBさんでやり方がまったく違うケースがあり得る。Aさんの定型業務が恐ろしく非効率であったら、そのまま自動化しても非効率なやり方は残ったままだ。

 非効率な作業の割り出しも難しい。最近は一日中画面を見ながら黙々と作業するスタイルが少なくない。何人かの社員が重複する仕事をしていても、他の社員の仕事内容を把握していないケースもあるので、どの部分が重複し非効率なのかを判断するのは困難だ。

パソコン操作のログをAIで分析

 このようなオフィスワークの非効率を分かりやすく見える化するツールが登場し始めた。例えば、NTTスマートコネクトが現在開発中の「働き方視える化サービス」(トライアル段階)は、社内で蓄積されたパソコンの操作ログから多様な仕事の手順を把握。AIを活用して分析する。その分析結果をレポート化して、働き方改革に役立てるソリューションだ。

 AIを活用した本ソリューションは、作業内容の繰り返しや重複を記録する。分析レポートには、操作ログから明らかになった作業の手順を示すフロー図が表示される。「この作業はRPAで○○時間短縮可能」「この作業は重複しているので○○時間削減可能」というように、実際の所要時間を基に業務効率化の効果測定ができる。

 AIログ分析のユニークな点として、「人が気付いていない」繰り返しのフローをあぶり出せる点が挙げられる。通常のログ分析や業務改善のコンサルティングでは、まず社員に業務内容をヒアリングして繰り返し作業を洗い出し、その作業について分析する。ただ、この方法はヒアリングで洗い出せるかどうかに、全てがかかっている。

 働き方視える化サービスはヒアリングを必要としない。何回ヒアリングしても出てこない重複作業や、本人も気付いていない重複作業についても、AIがその時間・回数をあぶり出す。社員が無意識のうちに繰り返す「非効率」を自動的に明らかにし、改善のスピードがアップする。

 働き方視える化サービスのほかにも、いくつかの見える化ソリューションが登場している。テンダが提供する「D-Analyzer」は、見える化のコスト増大に悩む企業に向けたプラットフォームだ。各RPAベンダーは、導入に際してコンサルティングを行っているが、業務の見える化ができない状態では効果が得られない。本サービスはログ収集と分析をトータルで提供する。また、NECソリューションイノベータの「NEC 働き方改革支援ソリューション」は、作業にかかった時間をグラフ表示したり、既存勤怠システムと連携したりして業務の見える化を支援する。

 操作ログ分析による見える化は、自社のみで行うとその作業自体が大変だ。効率化のために多大な手間がかかるという事態に陥らないためにも、自社に適したソリューションを活用してほしい。

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執筆=林 達哉

執筆=林 達哉

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