税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第19回)

飲食費や冠婚葬祭で節税ができる!経費と損金の違い

2017.10.31

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 得意先などを飲食に招待した費用は、交際費として会社に経費として請求できることはビジネスパーソンの常識でしょう。しかし、その交際費が経費に認められても、税法では課税対象となる場合があります。

 本記事では、社内外の飲食や会議、冠婚葬祭などで、会社が支払った交際費について説明します。

交際費に「何」が認められているの?

 「交際費=経費になる」というイメージを持っているでしょう。確かに業務のために使ったわけですから従業員の負担にするのではなく、会社(法人)の負担になるのが当然です。しかし、税法上で法人の交際費は原則として損金不算入という形で課税対象とされています。つまり損金不算入とされる交際費では所得を圧縮できず、法人税を節税できないのです。

 企業は、収益および費用から利益を算出して経営状態を把握する決算書と、所得を算出して税の申告をする法人税申告書という2つの書類を作成しています。両書類で交際費の扱いが違っており、決算書では費用となりますが、法人税申告書では原則として損金不算入となります。

 決算書では収益から経費などの費用を差し引いて利益を求めるので、「交際費=経費になる」という考えも間違っているとはいえません。

 しかし、法人税申告書では、決算書の利益に対して、税務調整という計算を行い、課税対象となる所得を求めます。交際費は税務調整において利益に加算される損金不算入項目になるため、課税対象となっているのです。

 交際費が原則として損金不算入とされたのは、2013年の税制改正によるものです。ただし、資本金が1億円以下の企業に対しては、年間600万円の90%(540万円)から年間800万円まで金額を拡大した上で、損金算入できる取り扱いが温存されました。つまり、中小法人は税務上も一定額までは交際費を経費とできるのです。

 2014年改正では、中小法人の年間800万円までという措置以外に、資本金に関係なく交際費のうち飲食に使われる「接待飲食費」の50%までを損金に認めるという制度が新設されました。これにより大企業でも一部は損金算入が可能になりました。中小企業は法人税申告を行う際、800万円までの定額控除限度額か、接待飲食費の50%で有利なほうを選べます。

 また、2006年の税制改正より、1人当たりの金額が「5,000円以下」の飲食費は、交際費に該当しないとされたことも覚えておきましょう。これにより1人当たりの金額が5000円以下である場合には、交際費の中の接待飲食費ではなく、「会議費」という名目で税務上も損金処理することができます。

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連載記事≪税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ≫

執筆=北川 ワタル

執筆=北川 ワタルstudio woofoo

公認会計士/税理士。2001年、公認会計士第二次試験に合格後、大手監査法人、中堅監査法人にて金融商品取引法監査、会社法監査に従事。上場企業の監査の他、リファーラル業務、IFRSアドバイザリー、IPO(株式公開)支援、学校法人監査、デューデリジェンス、金融機関監査等を経験。2012年、株式会社ダーチャコンセプトを設立し独立。2013年、経営革新等支援機関認定、税理士登録。スタートアップ企業の支援から連結納税・国際税務まで財務・会計・税務を主軸とした幅広いアドバイザリーサービスを提供。

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