税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第35回)

平成31年度税制改正大綱で設備投資支援税制が延長

2019.02.27

クリップについて

 2018年12月21日に政府が閣議決定した「平成31年度税制改正の大綱」は、2019年1月から始まった国会に改正案として提出されました。大綱・改正案には、中小企業者等(※)に対する措置として、法人税の軽減税率の特例適用期限を2年間延長することだけでなく、設備投資税制の延長や拡充も盛り込まれています。国会で承認を得ることができれば、現行の設備投資に関する税制が2021年3月31日まで延長されます。

  ※ 租税特別措置法上の定めで、「中小企業者又は農業協同組合等で、青色申告書を提出するもの」をいいます。中小企業者は(1)資本金又は出資金の額が1億円以下であるか(資本もしくは出資を有しない場合は常時使用する従業員数が1000人以下であるもの)、(2)中小企業者等以外の法人(=大規模法人)に発行済み株式の2分の1以上を直接保有されていない法人、または(3)2以上の大規模法人に発行済み株式の3分の2以上を直接保有されていない法人のことをいいます。

 経営者は、どのような設備投資を行った場合、どのような税制の適用を受けるのか、適用を受けるためにはどのような手続きが必要なのかということについての情報を確認した上で、経営戦略を立案する必要があります。中小企業者等の設備投資税制を解説しましょう。

延長・拡充される税制措置

 中小企業者等の設備投資を支援するための税制措置として、「中小企業投資促進税制」「中小企業経営強化税制」「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」があります。これらの税制は、中小企業者等が一定の設備を取得して指定事業へ使用した場合に、普通償却に上乗せできる特別償却や即時償却、または税額控除のいずれかの適用を受けられるものです。この3つの税制には、適用となる対象設備の種類や指定事業といった内容についての大きな違いはありませんが、適用を受けるための手続きが異なっています。

 中小企業投資促進税制は、中小企業者等が指定期間内に一定の設備を取得して、指定事業に使用した場合に、取得価額の30%の特別償却、または法人税額の20%を限度とする取得価額の7%の税額控除のいずれかを選択して適用できる制度です。ただし、7%の税額控除は資本金などが3000万円以下の法人に限られます。

 この制度が他の2つと異なる点は、設備投資を行う前に主務大臣からの認定や、一定の機関から経営改善のアドバイスなどを受ける必要がない点です。確定申告時に一定の書類を作成して添付することで適用を受けることができるので、使い勝手のいい制度だといえるでしょう。大綱には、この制度の適用期限を2年延長することが盛り込まれています。対象となる設備が下記のものです。

<対象設備>
・機械装置(1台160万円以上)
・測定工具・検査工具(1台120万円以上。または1台30万円以上の複数の合計が120万円以上)
・一定のソフトウェア(1つのソフトウェアが70万円以上。または複数の合計が70万円以上)
・普通貨物自動車(車両総重量3.5トン以上)
・内航船舶(取得価額の75%が税制の対象)

 指定事業などを含む、制度の詳しい内容については、国税庁のウェブサイトをご確認ください。

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執筆=山岡 美葉

執筆=山岡 美葉

税理士、株式会社アールテロワール代表(https://rody-t.jp/)。
会計事務所勤務を経て2018年1月に税理士登録。現在、千代田区平河町にて開業し、法人税・資産税を中心に税理士業務に取り組んでいる。

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