税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第49回)

注目!新型コロナ対応もある中小企業向け補助金

2020.05.25

クリップについて

 中小企業の経営者にとっては、財務管理は大きな悩みの1つです。今後数年にわたって、働き方改革による残業規制の強化、被用者保険の適用拡大、消費税務ではインボイス導入など対応が必要な事項が続きます。そんな中で、財務を改善するため、補助金導入を検討してみるのも経営改善に役立ちます。今回は、中小企業生産性革命推進事業に係る補助金について解説します。

 中小企業生産性革命推進事業とは、経済産業省所管の独立行政法人中小企業基盤整備機構が、中小企業・小規模事業者による制度変更対応や生産性向上の取り組み状況に応じて、設備投資、IT導入、販路開拓などの支援をして、複数年にわたり中小企業・小規模事業者の生産性向上を継続的にサポートするものです。

 同事業の補助金には、「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」の3種類があります。通年の複数回公募ですので、事業者が都合のよいタイミングで申請できます。こうした補助金の中には、今回の新型コロナウイルスによる経営への影響をカバーするため、補助対象を拡大しているケースもあるので要チェックです。

設備投資を支援する「ものづくり補助金」

 「ものづくり補助金」は、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善を行うための設備投資(機械装置・システム構築費・技術導入費・専門家経費・運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費など)を支援するもので、補助金額は100~1000万円、補助率は中小企業者が2分の1、小規模企業者・小規模事業者が3分の2です。

 実施期間は、交付決定日から10カ月以内(ただし審査合格発表日から12カ月後の期日まで)となっており、発注・納入・検収・支払いなど、すべての事業手続きをこの期間内に完了させなければなりません。交付決定日以前に発注などを行った場合は補助事業経費の対象外になりますから注意が必要です(他の同事業補助金も同様)。

 今年度の申請の中で、2次公募が5月20日締め切りでしたから、もう終了してしまいましたが、3次公募が2020年8月頃、4次公募が2020年11月頃、5次公募が2021年2月頃の予定となっています。3次公募以降の申請をめざしましょう。ただ、その際は2次公募とは、要領が変更になる可能性もあります。各回の公募要領をよく確認するようにしてください。

 「ものづくり補助金」の申請に当たっては、事業計画期間内で、以下の3要件をすべて満たす事業計画(3~5年)を策定・実施する必要があります。

1.事業者全体の付加価値額(営業利益・人件費・減価償却費を足したもの)を年平均3%以上増加させること

2.給与支給総額(非常勤を含む全従業員と役員に支払った給与、賞与、役員報酬などの額で、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く)を年平均1.5%以上(被用者保険適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者などが制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上)増額させること

3.事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること

 なお、新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために前向きな事業者に対して、通常枠とは別に補助率を引き上げ(一律3分の2)、営業経費を補助対象とした「特別枠」を新たに設けた優先的な支援もあります。また、新型コロナウイルスの影響によるサプライチェーンの毀損などに対応するための設備投資などを行う事業者については、上記1~3に係る目標値の達成時期が1年猶予されます。

ITツール導入を支援する「IT導入補助金」… 続きを読む

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執筆=並木 一真

執筆=並木 一真

税理士、1級ファイナンシャルプランナー技能士、相続診断士、事業承継・M&Aエキスパート。会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。
https://namiki-kaikei.tkcnf.com/

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