ICTで進化する住まいのスマート化(第1回)

補助金なしでもスマートマンションにすべき理由

2016.06.01

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 週末の朝、新聞に折り込まれている数多くの分譲マンションの広告に、金色の星が並んでいるのを見たことはないだろうか。これは、マンションの省エネルギーレベルなどをチェックした「スマートマンション評価制度」で満点を取ったということで、省エネ設備をしっかりと盛り込んだ事実をアピールしている。果たしてスマートマンションとはどういうものなのか。

 1990年代以降、地球温暖化をはじめとしたさまざまな環境問題が深刻化する中、省エネの意識は急速に高まってきた。その傾向を加速させたのが、2011年の東日本大震災である。東日本大震災では、広範な地域で電力の安定供給が危ぶまれるというかつてない事態となり、以降、省エネは企業・個人を問わず社会的に取り組むべき重要課題として認識されている。

 政府も省エネに対して施策を打ち出している。その1つが、2012年から行われた「スマートマンション導入加速化推進事業」だ。スマートマンションとは、建物全体でエネルギー管理や節電および電力のピークカットなどを行って、エネルギーの効率的な使用や無理のない節電を実現するマンションのことだ。

 スマートマンションのエネルギー管理は、MEMS(マンション・エネルギー・マネジメント・システム)を通じて行われる。MEMSは、マンション内で使用する電力消費量などを計測して見える化し、接続機器の制御や電力のデマンドピーク(最大需要電力)を抑制・制御する機能を持つ。エントランスや廊下といった共用部の空調や照明を制御するとともに、マンション内の各戸のHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)と連動して各家庭の空調・家電機器などの使用電力を管理することも可能だ。

 スマートマンション導入加速化推進事業は、MEMS導入時にかかる費用の3分の1を国が補助することで、スマートマンションの普及を促進するのが目的だ。130億5000万円という予算額に達したため、2015年1月に交付申請は締め切られたが、1685棟・計18万3296戸のマンションに対して補助が行われた。

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執筆=山本 貴也

執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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