節約と快適を両立するエネルギーマネジメント(第2回)

MEMSでエネルギー消費を見える化する

2016.06.01

クリップについて

 地価・建築費の高騰の影響もあってマンション価格の上昇が著しい。そんな中で、他の物件と差異化するための方策をマンションデベロッパーは模索している。価格面での魅力が打ち出しにくい中でポイントになるのは、暮らしやすさをアピールすること。そのためには設備の充実を図る必要がある。特にエネルギー問題に対する関心が高まる中、省エネ設備はセールスポイントになる。デベロッパーとしては無視できない要素だ。

 また社会的な要請としても、家庭におけるエネルギー消費の抑制が求められている。例えば、全国600万戸を超えるマンションのエネルギー消費は、共有部・専有部を合わせると膨大なものになる。マンションでの省エネは、重要課題の1つだ。

 政府も2012年から「スマートマンション導入加速化推進事業」を実施。MEMS(マンション・エネルギー・マネジメント・システム)導入にかかる費用の3分の1を補助し、マンションでの省エネを促した。2015年1月にこの制度は終了したが、全国で1685棟のマンションが補助を受けてスマートマンション化を実現している。この制度と並行して始まったスマートマンション評価制度はスマートマンション認定制度と名前を変えて現在も継続中であり、新築マンションにおいてスマート化は、珍しくない時代になっている。

専用モニターやタブレットで見える化サービスを実現

 スマートマンション導入加速化推進事業では、MEMSアグリゲーターと呼ばれる登録事業者がマンションのエネルギー管理を行っている。現在、MEMSアグリゲーターは26社(2016年5月現在)。各社でサービス内容は異なるが、どのアグリゲーターにも共通しているのが、エネルギー管理のカギとなる「見える化」のサービスだ。

 多くのMEMSアグリゲーターは、マンション内の各戸に設置されたHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)端末から専用モニターやタブレットなどに情報を送り、その画面でエネルギー管理を行う。モニターでは、現在使用している電力量はもちろん、共用部の太陽光発電を使って売電を行っている場合の売電量やエリア別の電力消費量など、家の中のさまざまなエネルギー情報が確認できる。照明やエアコン・家電の操作が可能な場合もあるなど、エネルギー管理の総合司令塔といったイメージだ。

MEMSだけでなく情報インフラも兼ねる… 続きを読む

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執筆=山本 貴也

執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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