IT時事ネタキーワード「これが気になる!」(第28回)

強制プレミアムフライデー!?Office 365が世界規模で障害

2018.06.21

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 日本時間の2018年4月6日午後5時半ごろ、マイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」に、多くのユーザーがアクセスできない障害が発生した。障害が起きたのは企業や教育機関向けのサービス。メールが使えない、共有の書類にアクセスできないなど、ほぼ仕事にならない状況が続いた。障害は世界規模に及んだ。

 くしくもトラブルの発生は金曜日だった。「強制プレミアムフライデーだ」「マイクロソフトがプレミアムフライデーを提供してくれた」「もう帰るしかない」などのツイートが相次いだ。障害は20時30分ごろに復旧したが、クラウド化が進みつつある現状に大きな警鐘を鳴らすこととなった。

クラウドはメリットばかりではない?

 最近はブラウザー上からアクセスするWebメールや、ネット上でさまざまな機能を提供するWebサービス、データを置くストレージサービスが普及しつつある。アプリを端末にインストールせずとも、ネット環境さえあれば、いつでもどこでも作業ができ、資料や書類にアクセスできる環境が整ってきた。

 さらに、多くのユーザーに長らく使われてきた老舗アプリのクラウド化が進んでいる。代表的なのはアドビの「Creative Cloud」とマイクロソフトのOffice 365だ。従来のアプリは、基本的にパッケージ(もしくはライセンス)を端末の台数分購入してインストール、バージョンアップも端末ごとに行う必要があった。メジャーバージョンアップの際は、アップデートパッケージを購入、インストールして使うシステムだった。

 ところがクラウドスタイルのアプリは、インストールもバージョンアップもネット経由、データもクラウド上に保存する仕組みが整っているなど、ネット環境さえあればどこからでもアクセス可能で、作業する場所や端末に縛られない利点がある。そうそう、前述の2社のアプリは、年もしくは月契約で料金を払うシステム(サブスクリプション)で提供され、常に最新の機能が使えるのも魅力だ。

 今まで仕事に欠かせなかったマイクロソフトのOfficeに関しては、ここ最近のクラウド志向もあり、従来のOfficeからOffice365に切り替えるユーザーが多くなってきている。さらに、ビジネス向けのOffice365は、単なるOfficeソフトのサブスクリプション版と思われがちだが、Officeソフトの機能に加え、法人メール、ビデオ会議やチャットなどのコミュニケーション、共同作業、SNS、データや予定の共有、顧客管理など、ビジネスウエア的な機能が提供される大きなメリットがある。使い慣れたOfficeベースで社内システムが構築できるため、導入する企業も多くなっている。

米国では「オンプレ回帰」の企業も… 続きを読む

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執筆=青木 恵美

執筆=青木 恵美

長野県松本市生まれ。独学で始めたDTP(パソコンによる机上出版)がきっかけで、IT関連の執筆を始める。執筆書籍は『Windows手取り足取りトラブル解決』『見直すだけで安くなる、スマホおトク術』など20冊あまり。Web媒体は日経XTECH、日経トレンディネットなど。日経XTECHの「信州ITラプソディ」は、2008年より10年にわたって長期連載した人気コラム(現在でもバックナンバーあり)。日経パソコン、日経PC21、日本経済新聞などに多く執筆。現在は、日経PC21に「青木恵美のIT生活羅針盤」、日経パソコンに「ちょっと気になるITアラカルト」を好評連載中。

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