IT時事ネタキーワード「これが気になる!」(第57回)

新型コロナ、ITで感染防御

2020.03.13

クリップについて

 新型コロナウイルスの感染拡大で学校は休校、ビジネスはテレワークに切り替える企業が急増、イベントは中止もしくは無観客で行われ、テーマパークは休業する。影響は甚大だ。感染拡大を何とか食い止めて、被害をできるだけ最小限にしたいところだ。

 そんな折、既存の3種類の薬剤が治療に効果を示した、という報告もある。ワクチンの臨床試験も、近く始まる見通しといわれる。一刻も早い治療法の確立が望まれる。

 一人ひとりができる対策として、手洗いやせきエチケットがうたわれている。しかし、相変わらずマスクや消毒薬が不足する状況だ。SNSでトイレットペーパーやティッシュペーパーが不足するとの情報が広がり、紙製品を買い占める人が続出した。本当に必要な人が困る事態が引き起こされた。紙製品は現在、通常通りの生産・供給が行われ、マスクや消毒液の不足についても、状況が経済産業省によりアナウンスされている。

 3月14日以降、マスクおよび消毒剤のオークション出品の自粛が経済産業省から要請された。職場のマスクを転売した病院職員や、大量のマスクを出品した議員がニュースになった。非常事態に便乗して私腹を肥やす行為は、人間的にいかがなものか。新型コロナウイルスに便乗した悪徳商法も後を絶たない。一人ひとり、警戒する必要がある。

 今回のデマに関しても、デマだと分かっていても、困りたくないから買っておこう、という人が多かった。しばらく使う分があるなら、本当に必要な人のために控えておく心遣いも必要だ。正しい情報を得ることと、正しい情報に基づいた正しい行為を取ることが重要だ。冷静さと人間らしさを失ってはいけない。常に襟を正したい。

 感染を拡大させぬよう、感染者との接触や、不特定多数の人が触る物に近づくのはなるべく避けたい。とはいえ外出せざるを得ない事態は多い。そんなときに“IT”が役立つ。

キャッシュレス決済、通販、デリバリーやテークアウト活用

 スマホで行うキャッシュレス決済は、誰が触ったか分からないお札や小銭に触れずに、決済を行える。もともと、外国でキャッシュレス決済が普及したのも、お金に触れずに済むからだともいわれる。さらにスマホ決済は、バーコードリーダーもしくは本人の入力で行うため、店員の手にも触れない。

 ネット通販も活用したいところだ。日常生活用品や生鮮食品は、ネットスーパーが有用だ。通販を届ける宅配便は、LINEやWeb上で時間や場所の変更が利く。玄関に届く商品の受け渡しにも、あらかじめ印鑑やペンを用意すれば、余計な接触を避けられる。

 外食での感染可能性もうたわれている。ならば、スマホやパソコンから注文できるデリバリーサービスも有効だ。「出前館」や「楽天デリバリー」などの総合サービスは、ポイントやクーポンなど特典も多くてお薦めだ。デリバリーは、メニューを落ち着いて選べ、決済も現金を介さず行える。

 外出のついでに、テークアウトで食事を持ち帰る手もある。その際は、スマホアプリであらかじめ時間指定で注文しておくと、待ち時間や決済いらずで受け取れる。マクドナルドのモバイルオーダー、かっぱ寿司やほっともっと、LINEポケオなどを筆者はよく利用する。

 人と会う、打ち合わせする機会も、IT活用で減らせる。チャットアプリ、電話アプリ、ビデオ通話アプリなども適宜活用しよう。そのほか、出先のパソコンを“出掛けずに操作”、リモート操作アプリなどを使ったリモートアクセスも有効だ。

帰宅時に触らず解錠

 手洗いが有効といわれる新型コロナへの対策は、帰宅時が大きなカギとなる。手で触れる物には注意が必要だ。筆者は玄関先に消毒薬一式を置き、利用している。スマホも菌が付きやすい。家に戻ったらすぐ消毒を行うのが有効だ。

 考えてみると、帰宅時にはいろいろな物に触っている。ドアノブとか鍵とか、電灯のスイッチとか。手洗い前にこれらには触れる。だから菌が付着する可能性がある。IoTの利用で、スマホから施錠・解錠、もしくはシャッターの開閉などを行えるシステムも有効だ。コンセントに挿せるスマートスピーカーを玄関に設置し、声で電灯をつけるやり方もある。

 スマホに付けられるサーモグラフィー・ユニットなども売れている。訪問者や往来の人々でも高熱のある人を見分けられる。非接触の放射温度計を、ネット通販で入手しておくのもよい。ここまでくるとやり過ぎかもしれないが、いろいろ玄関先の工夫をすれば、感染の確率を下げられる。正しい情報を基に、家族にも徹底してもらおう。家族に感染者が出た場合もIT機器を駆使して接触を減らし、家族への感染確率を下げる工夫ができるだろう。

テレワークやコミュニケーション、非常時のIT活用ノウハウ

 各企業でテレワーク、在宅勤務の動きが広がるが、会社のメールが見られない、資料が開けない、チャットができない、リモートアクセスができないなど、初歩的なところでつまずくケースも少なくない。また、急なテレワークへの移行で、ITのセキュリティ対策面はもちろん、管理や評価、コミュニケーションなどの課題が後回しになっている面も否めない。

 機器やアプリ、ノウハウ・資金不足もこれから露見してくるだろう。問題を洗い出し、1つひとつ解決していこう。業務が思うように進まず焦る面もあるだろうが、今は最優先で実行し、ノウハウをためて未来につなげると考えよう。各省庁のテレワークの情報ページが助けになる。相談できる窓口や補助金制度を利用する手もある。

 コロナへの防御策として「人や物に接触しない」ためにITを駆使するだけでなく、休校で家にいる子どもに、ITを使った学習を勧めるのもよいだろう。IT活用が生活を救う可能性がある。今後、新型コロナウイルスの猛威はどうなるかは分からない。だがインフルエンザをはじめ、今回のケースに似た不測の事態は、いつでも起こり得る。冷静に対応できるよう、ノウハウを磨いておいて損はない。

役立つリンク集

コロナに関する各ジャンルのお役立ちコンテンツを紹介する。

新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省)
新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~(首相官邸)
新型コロナウイルス(COVID-19) 関連情報ページ(国立感染症研究所)
新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について(文部科学省)
新型コロナウイルス感染症について(農林水産省)
新型コロナウイルス感染症関連(国民生活センター)
新型コロナウイルス感染症の拡大に対応する際に消費者として御注意いただきたいこと(消費者庁)
海外感染症発生情報(厚生労働省検疫所)
マスクや消毒液やトイレットペーパーの状況(経済産業省)
新型コロナウイルスお役立ち情報(首相官邸内)
新型コロナウイルス感染症情報のLINE公式アカウント(厚生労働省)
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(厚生労働省)
新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(国民生活センター)
テレワーク情報サイト(総務省)

相談窓口

各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口(首相官邸内)
新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター(厚生労働省)
新型コロナウイルスに関する中小企業・小規模事業者支援相談窓口(厚生労働省)
テレワーク相談センター(厚生労働省委託事業)

民間のお役立ち情報

「新型コロナウイルス」関連ニュースまとめ(日本経済新聞)
新型コロナウイルス関連 特設サイト・特集 リンク一覧(NHK)
新型コロナ対策に役立つITサービスの「無償提供」広がる、30種を一挙紹介(日経XTECH)
新型コロナで休校中の生徒が活用したい、無償のEdTechサービス10選(日経XTECH)
新型コロナ対策の無償ITツールまとめ第2弾、30種の製品・サービスを追加紹介(日経XTECH)

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執筆=青木 恵美

執筆=青木 恵美

長野県松本市生まれ。独学で始めたDTP(パソコンによる机上出版)がきっかけで、IT関連の執筆を始める。執筆書籍は『Windows手取り足取りトラブル解決』『見直すだけで安くなる、スマホおトク術』など20冊あまり。Web媒体は日経XTECH、日経トレンディネットなど。日経XTECHの「信州ITラプソディ」は、2008年より10年にわたって長期連載した人気コラム(現在でもバックナンバーあり)。日経パソコン、日経PC21、日本経済新聞などに多く執筆。現在は、日経PC21に「青木恵美のIT生活羅針盤」、日経パソコンに「ちょっと気になるITアラカルト」を好評連載中。

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