遊びから見つかったビジネスの種(第3回)

見方を変えて生まれた「バンジージャンプ」

2016.09.27

クリップについて

 世界中で大ヒットした商品やサービスは、実は身近にあるものからヒントを得て生まれていることがあります。第3回では、ある地方の風習から生まれた遊びを紹介します。

小さな島国から生まれた、世界的なエンターテインメント

 オーストラリア東部、南太平洋に浮かぶ小さな島国「バヌアツ共和国」には、「ナゴール」と呼ばれる独特の風習が残っています。何十メートルもの高いやぐらを作り、青年たちが足に植物のつるを巻き付け、地面に向かって飛び降りるのです。成人の儀式、あるいは豊作を願う際の儀式として行われる習慣です。

 これが、いわゆる「バンジージャンプ」の元ネタです。

 今やバンジージャンプは、世界中に愛されるエンターテインメントとなりました。日本でもよみうりランドなどの大型施設で導入されているのはもちろん、地方では村おこしのイベントにまで採用されています。

 このように今でこそ「スリル満点の遊びのジャンプ」として定着していますが、一昔前にはまだ認知されていませんでした。状況が変わったのは1人のビジネスマンの力がありました。

 バンジージャンプがまだナゴールと呼ばれていた頃、文化人類学者や好奇心旺盛な冒険家など、一部の人々にはその存在は知られていました。マネをして橋から飛び降りる人たちや、競技として取り入れるスポーツ団体もあったのです。しかし、世界的に広く知れ渡るまでには至りませんでした。

 そんな中、ニュージーランド人の起業家A・J・ハケット氏は違いました。もともとラグビーやスキーの選手としてスポーツに打ち込んでいたハケット氏は、この冒険的なジャンプに魅せられ、自分も挑戦するようになります。

 ここまでは一部の好事家と同じです。しかしハケット氏は珍奇な風習と面白がるだけでは済ませませんでした。ナゴールをスリルと興奮のエンターテインメントとして評価し、「ビジネスにできないか」と思い立ったのです。

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執筆=味志 和彦

執筆=味志 和彦

佐賀県生まれ。産業技術の研究者を経て雑誌記者など。現在コラムニスト、シナリオライター。

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