経営者のための女性力活用塾(第3回)

日本の女性の社会進出状況はM字曲線を描いている

2016.12.21

クリップについて

 第2回では女性の社会進出の国際比較を示しましたが、今回は日本国内の動向です。下の図は、日本国内における女性の社会進出率を時代ごとに比較したものです。

 これを見ると、世界的には後れを取っている女性の社会進出率も、日本国内ではしっかり改善されてきていることが分かります。しかし国際比較の際にも説明した通り、「一旦企業から離れた女性が元の職場に戻ることは難しい」という点は変わっていません。

 山のピークから谷を経てまた山の水準に戻るまでにかかる年数はおよそ20年。つまり「子どもが成人してから社会に復帰する女性が多い」ということになります。しかし離職してから20年たって復職するのは、恐らく出産する前にいた会社とは別の会社、という人が多いのではないでしょうか。

 もしそうであるとすれば、日本では「たとえ出産が理由である(一時的な)休職であってもそれはほぼ退職を意味し、育児が済んだ女性が再度同じ職場に復帰することは、現状非常に厳しい」という結論に達します。

(備考)
1.総務省「労働力調査(基本集計)」より作成
2.「労働力率」は、15歳以上人口に占める労働力人口(就業者+完全失業者)の割合
(出典:平成25年版男女共同参画白書「女性の年齢階級別労働力率の推移」)

 もちろんこの図には「子どもが成人するまでは母親が責任を持って成長を見守りたい」という考えを持った家庭や、「第一子が生まれて数年後に第二子、第三子が生まれた」という事情があって社会復帰が遅れているケースも含まれているので一概に断言はできません。しかし不況によるリストラの横行や非正規社員の増加といった社会的な背景を考慮すると、前文の仮定はそれほど間違ってはいないと考えられます。

 なお、図の平成24年時における労働力率の最初の山が25~29歳になっているのは、「世界的な不況による就職の遅れ」や「大学院への進学を希望する学生の増加」といった理由によるものだと考えられますが、問題の本質はどの時代も同じです。

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執筆=坂本 和弘

執筆=坂本 和弘

1975年栃木県生まれ。経営コンサルタント、経済ジャーナリスト。「社員の世代間ギャップ」「女性社員活用」「ゆとり教育世代教育」等、ジェネレーション&ジェンダー問題を中心に企業の人事・労務問題に取り組む。現場および経営レベル双方の視点での柔軟なコンサルティングを得意とする。

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