経営者のための女性力活用塾(第10回)

働き方・ライフスタイルにおける男女意識の変化

2017.07.19

クリップについて

 前回見たように、女性力活用が叫ばれているにもかかわらず、改善が見られない、あるいはマタハラなど悪化しているケースも見られるのはなぜでしょうか。今まではその理由を主に「男尊女卑意識」に求めてきましたが、本項では別の視点から分析・考察していきます。

 まず、下記のグラフ(1と2)をご覧ください。このグラフは、1979年から2012年までの20歳以上の全国民を対象に調査した、いわゆる「性別による家事・仕事の分担」に対する意識の変化です。グラフを見ると、時代的な相対変化に男女差はあまり見られませんが、同時代の男女の意識には差があります。

「夫は外で働き、妻は家を守るべきである」という考え方に関する意識の変化

※調査対象は、全国20歳以上の日本国籍を有する者(会社員に限らず)。「賛成」は「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせた数値に簡略化。「反対」は、「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた数値に簡略化
出典:内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」より一部抜粋・加筆修正

 

 やはり大方の予想通り、男性の方が「男は外で仕事、女は家で家事」に賛成する割合が多く、女性は低くなっています。しかし時代が流れるにつれ、男女ともに性差による家事分担に賛成する割合は右肩下がりになっており、ここからも男女同権への社会的な意識の変化が見てとれます。

 なお2012年は男女ともに賛成の割合が伸びていますが、これはサブプライムローン問題を発端とする世界的な不景気や災害によって、就職や転職が困難になったことによる一時的な意識変化だと考えられます。それを示すかのように、最新の2016年調査では、男性の回答が賛成44.7%、反対49.4%、女性の回答が賛成37.0%、反対58.5%となっています。

 ここで特筆すべきは、男性の賛成は2016年調査でようやく5割を切りましたが、それまでずっと過半を占めていたことです。一方、女性は2002年に反対が賛成を上回り、その5年後の2007年には反対が6 割弱を占める結果になっています。

 これは男性がいまだに古い慣習にとらわれ、女性はその慣習から抜け出そうとしていることの証しであり、この男女間の意識の乖離(かいり)は続いていくと予想されます。

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執筆=坂本 和弘

執筆=坂本 和弘

1975年栃木県生まれ。経営コンサルタント、経済ジャーナリスト。「社員の世代間ギャップ」「女性社員活用」「ゆとり教育世代教育」等、ジェネレーション&ジェンダー問題を中心に企業の人事・労務問題に取り組む。現場および経営レベル双方の視点での柔軟なコンサルティングを得意とする。

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