保育士、介護士にのしかかる安心・安全の重い課題

2017.02.15

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 2016年、神奈川県で悲惨な事件が起きた。障がい者福祉施設における大量殺人事件だ。犯人は当直職員が少ない深夜を狙って施設に侵入。抵抗できない入所者を次々と殺傷していった。ほかにも高齢者施設の職員が入居者を殺害しようとして、逮捕される事件が発生している。

 こうした社会的弱者をターゲットにした犯人の動機は理解し難く、その理屈は身勝手極まりない。しかし、発生のリスクを完全になくすのも難しい問題だ。障がい者施設や高齢者施設だけでなく保育園など、人を預かる施設すべてにとって人ごとではない。安心・安全の確保が喫緊の重要課題だ。

 しかも、このような施設は深刻な人手不足という大きな悩みを抱える。例えば介護施設の状況は介護労働安定センターの「平成27年度介護労働実態調査」で明らかだ。61.3%の介護施設が「従業員の不足感」を訴え、7割が「採用が困難」をその理由に挙げる。2015年には介護報酬が引き下げられ、経営的にも厳しさを増している。

 保育園でも人手不足は深刻だ。待機児童は40万人ともいわれるが、その原因は保育士不足にある。厚生労働省では「待機児童解消加速化プラン」を打ち出し、待機児童の解消のため、平成29年度末までに約40万人分の受け皿の確保をめざす。だが、それを支える保育士の数が足りない。全国の保育士の有効求人倍率は、2倍を超えているのが現状だ。

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執筆=高橋 秀典

執筆=高橋 秀典

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