技術TODAY(第10回)民間ロケット打ち上げで、日本の宇宙ビジネス加速

IT・テクノロジー

公開日:2017.08.28

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 ライブドアの元社長・堀江貴文氏が関わる北海道のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」は、7月30日、自社開発した全長10メートルの観測ロケット「MOMO」初号機の打ち上げ実験を行った。

 残念ながら、打ち上げ直後に問題が発生してエンジンを緊急停止。打ち上げは失敗に終わった。しかし、日本初となる民間単独によるロケット開発の意義は大きい。民間ロケットの宇宙到達は次回以降の打ち上げに持ち越されたが、日本の宇宙ビジネスの加速が期待される。

ホリエモンロケット、宇宙空間へ到達せず

 インターステラテクノロジズは、ライブドアの元社長・堀江貴文氏が最大出資者として関与する北海道のベンチャー企業。もともとは堀江氏が仲間とロケット造りに挑んでいたが、事業化の見通しを得て株式会社として独立した。宇宙ベンチャーといえば先進的に聞こえるが、宇宙が好きでロケットが好きな十数人が集まる小さな“町工場レベル”の規模だ。だが、メンバーの抱く夢は壮大だ。

 今回、北海道大樹町で行われた小型ロケット「MOMO」の打ち上げは、100キロメートルを超える最高高度に到達して宇宙空間に入る実験が目的。成功すれば日本初の民間単独によるロケットの宇宙空間到達になるはずだった。ところが、発射直後にロケットからの通信が途絶え、エンジンを緊急停止。打ち上げは失敗に終わった。

 堀江氏は「無事ロケットは離床して飛んで行きましたが、残念ながら宇宙までは到達できませんでした。しかしながら貴重なデータが取れたのでリベンジして宇宙まで飛ばす日も近いです」とTwitterに投稿。再び宇宙をめざすと宣言した。

 日本では、宇宙開発への民間の参入を促進する目的で、昨年11月に「宇宙活動法」を成立させた。人工衛星の打ち上げを許可制にするとともに、損害賠償保険への加入の義務付けや、保険を上回る損害に対する政府の補償などを定めた法律だ。これにより、宇宙開発の門戸を民間に開いたといえる。

世界に後れを取る、日本の宇宙ベンチャーの巻き返し…

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執筆=青木 恵美

長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。

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