めざせデジタルインフラの構築(第5回)

スマホ決済対応が売上増に導く

2018.08.10

クリップについて

 業務効率化や新規顧客拡大策として、店舗のスマートフォン決済(スマホ決済)が注目を集めている。経済産業省はこのほど「2025年までにキャッシュレス決済の比率を40%まで高める」との目標を定めた。客にとっては、現金もカードも使わず支払いできる便利な仕組みだ。その概要や導入のポイントを解説する。

 日本でスマホ決済サービスというと「Apple Pay」が知られている。さらに「楽天ペイ」や「LINE Pay」など、続々と新サービスが登場している。そして最近、大規模家電量販店やドラッグストアの店頭やレジ前で、「WeChat Pay(微信支付)」や「AliPay(支付宝)」と書かれたプレートや、ポスターを見かけることがないだろうか。これらは中国人訪日客の多くが使うスマホ決済サービスだ。

 中国で普及しているテンセント(騰訊)が提供するWeChat Payと、アリババグループ(阿里巴巴集団)のAliPay。両方ともQRコードを使ったサービスで、機種を選ばず多くのスマホで利用できることや、専用端末を使わず決済できる手軽さが人気を集め、中国を代表する存在になっている。

 まずは客側から見たQRコードタイプのスマホ決済サービスの使い方から紹介しよう。非常に簡単だ。まず自分のスマホに「WeChat Pay」や「AliPay」のアプリをインストールして、決済用の金融機関を登録しておく。購入の際にはインターネットに接続して決済用のQRコードを取得し、店舗は金額を入力してからそのQRコードをスキャンする。これだけで支払いが完了する。

 現状、日本人によるQRコードタイプのスマホ決済サービスの利用は、それほど多くないので、まずは中国人がよく使うサービスを導入するための条件やコストについて紹介しよう。「WeChat」を運営する中国・テンセントの日本でのサービス展開を手がけるネットスターズが提供する「WeChat Payサービス」を例に説明する。

スマホ決済システムを導入する

 まず、前提条件として利用場所にWi-Fiが使える環境を整えなくてはならない。その上でiPadなどの対応端末を用意して、ネットスターズと契約を結び、初期登録料を支払う。後は、利用ごとに決済手数料がかかってくる。また、サービス利用を継続する場合、一定期間ごとの更新が必要となる。クレジットカード決済で使われているCAT(信用照会端末)やカードリーダーなどは不要だ。

 利用契約後の操作自体は簡単だ。端末に決済アプリをインストールして専用番号を入力するだけで準備は完了する。アプリのトップ画面に「決済」「履歴」「返金」のボタンが表示されるので、WeChat Payを使う顧客が来店したら、「決済」を押して商品の価格を入力する。確定したら「スキャン」のボタンを押し、顧客のスマートフォン画面に表示されたQRコードを読み取る。数秒後に決済完了の画面が表示されて、取引は終了する。画面には日本語・中国語が併記される。中国語が分からなくても心配ない。

 過去の取引は1回ごとにコード番号で管理され、いつでもiPadやパソコンで確認できる。不良品などで返品・返金の依頼があった際にも、コード番号から簡単に処理することが可能だ。本サービスでは訪日客の一般的な旅行期間に準じて、購入後7日までの返金に対応している。

決済、即入金なので資金繰りも楽になる… 続きを読む

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連載記事≪めざせデジタルインフラの構築≫

執筆=林 達哉

執筆=林 達哉

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