脱ITオンチ「社長の疑問・用語解説」(第33回)

シンクライアントで新規のクライアント増

2020.10.07

クリップについて

 なんでカタカナばかりなんだとグチをこぼしたくなるIT用語。そんなITオンチの社長にも、分かりやすく理解できるようにITキーワードを解説する本連載。今回も、カタカナIT用語の「シンクライアント」だ。

「社長、わが社もテレワークを利用する社員が増えてきたので、そろそろシンクライアントを導入しませんか」(総務兼IT担当者)

「何、新規の蔵?隠したいものでもあるのか」(社長)

「違いますよ。蔵じゃなくて、シンクライアント。パソコンの中にソフトやデータを入れないので、テレワークでも安全に仕事ができるんです」

「パソコンの中じゃなくて、蔵の中にデータを入れるのか。確かに安全そうだな」

ソフトやデータのない「薄い」パソコン

 シンクライアントの「シン(Thin)」とは英語の「薄い・やせた」という意味です。パソコンの厚さが「薄い」のではありません。ソフトなどいろんなものが入っている通常のパソコンを“厚い・太った”と表現するとしたら、入っていないパソコンは“薄い・やせた”と表現できるので、シン(Thin)クライアントと呼ばれているのです。

 シンクライアントは、基本ソフトやアプリケーション、データなどがパソコン本体になく、パソコン内で最低限の処理のみを行う仕組みをいいます。パソコンの処理に必要なソフトやデータは会社やデータセンターなどに設置されるサーバー内に置かれ、ネットワークを介して利用します。

シンクライアントの仕組みの一例(※)

Q シンクライアントのメリットを教えてください

 パソコン本体にソフトやデータがないため、盗難・紛失で重要な情報が流出したり、破損でデータが消失したりする心配がありません。そのため、セキュリティ対策が手薄になりがちなテレワークでも安心して仕事ができます。

 テレワークで利用している社員の各端末のソフトにセキュリティ対策を施すのは大変です。シンクライアントであれば、社内やデータセンターに設置したサーバー側でセキュリティ対策を一括管理できます。管理の負担を減らせる利点もあります。

Q シンクライアント活用の注意点はありますか

 社内やデータセンターなどに置かれたサーバーとシンクライアント対応パソコンとの間はネットワークを通じて接続します。ネットワークやサーバーの性能が低い場合、パソコン側の処理が遅くなり、業務に支障を来す恐れがあります。そのため、高速・広帯域のネットワークや、高い処理性能を備えたサーバーの導入が求められます。

Q シンクライアント導入を成功させるには

 シンクライアントはサーバー型や仮想デスクトップ型など複数あります。コストや運用方法を含め、どの方式が自社に適しているのかを検討しなければなりません。また、利用社員の増加に応じて、ネットワークやサーバーの増強が必要な場合もあります。豊富な実績と専門知識を持つITサービス事業者に相談しながら、導入の検討を進めるといいでしょう。

シンクライアントで売り上げ増加

「社長、シンクライアントを少しは理解していただけましたか。もう、蔵に保管するなんて言わないでくださいね」(総務兼IT担当者)

「蔵はともかく、そのシンなんとかで仕事が変わるのかね」(社長)

「はい、テレワークでも、安心してクライアント(顧客)と連絡できますから、売り上げ増加は間違いなしです」

「シンクライアントで新規のクライアントが増えるなら、検討してみるか」

SID : 00114033

執筆=山崎 俊明

執筆=山崎 俊明

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