ICTがコミュニティーを変える(第1回)

「ICT分野の連携協定」で活力ある地域づくりに挑む

2018.01.31

クリップについて

 地域の活性化や住民サービスの向上など、自治体の施策を推進する上で求められるのがICT活用だ。自治体の取り組みにはどのようなものがあるのだろうか。

 総務省が全自治体を対象に実施した「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」の報告書(2017年3月、回答数は1104自治体)によれば、ICTを利活用した事業で最も多いのが防災(944自治体が実施)で、以下、教育(857)、防犯(704)、観光(666)、福祉(496)、地域コミュニティ(474)が続く。

 防災や防犯分野のICT利活用では、あらかじめ登録した住民の携帯電話やパソコンに一斉にメールを配信する、IP告知端末や地上波デジタルテレビへ緊急情報を配信するといった仕組みがある。住民の安全・安心に関わる事項は優先順位が高い。また、情報を配信する携帯電話や地上波デジタルテレビなどの端末が住民側に整っているこの領域はICT利活用に着手しやすいと思われる。

自治体のICT利活用を支援する連携協定

 地域ICT利活用の情報通信基盤となる光回線を敷設し、本庁舎と支所・公民館・学校などの施設を結ぶネットワークを構築している自治体がある。そうしたネットワークを介して、支所に設置した端末から住民票を交付するサービスを提供したり、小中学校のインターネット環境を整備したりすることができる。だが、せっかく高速・大容量のネットワークを構築しておきながら、それを必ずしも活用し切れていない例もある。

 その一因に、自治体にICT担当者の人数が少ないことや、定期的な異動でICTに精通した人材を育成しにくいことが挙げられる。庁内のシステムやネットワークなど、ハード面の整備で手一杯となる。新たな住民サービスの企画・立案といったソフト面の拡充まで手が回らないとの声も聞かれる。

 前述の報告書によると、地域でのICT利活用事業を進める上で課題を自治体に尋ねたところ、「導入・運用コストが高い」「自治体の人材やノウハウが不足」との回答が上位を占めた。不足している人材として、ICTの特性と地域のニーズを理解し、ICTを活用した事業を考案できる「利活用人材」、ICT事業を進める上で、チーム全体を指揮し、折衝、プレゼンテーション、全体のコーディネートができる「リーダー人材」などが挙げられている。

 こうした課題を抱える自治体が注目するのが、民間企業とのICT利活用に関わる連携協定だ。通信事業者の取り組み例として、KDDIが福島県と連携協定を締結した事例がある。東日本大震災からの復興や防災対策への協力、観光客の誘致と県産品の振興に関し連携していくという。また、ソフトバンクは京都府と地域活性化に向けた連携協定を締結した。ICT、ロボットを活用した府民サービスの向上や、観光振興・観光情報の発信、子ども・青少年へのプログラミング教育の支援などを推進する。

自治体と一体になって推進する… 続きを読む

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SID : 00126001

執筆=山崎 俊明

執筆=山崎 俊明

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