制度活用でお得マネジメント(第5回)

商工会議所を味方に付ける

2018.08.08

クリップについて

 企業の生産性向上に有効なIT導入に当たって、中小企業が直面するハードルは高い。導入コストやIT人材不足といった課題を解決するため、中小企業にとって身近なパートナーとして期待できるのが商工会議所だ。

 中小企業庁「中小企業・小規模事業者のIT利用の状況及び課題について」によると、会計業務へのITツール導入で会計処理時間が月18時間削減したり、宿泊業において予約台帳管理や社内情報共有へのITツール導入で営業利益が40%アップしたりといった実例が挙げられている。

 ところが同調査によると、中小企業の6割弱がITを導入しているが、そのうち約2/3は、給与、経理業務などの内部業務利用にすぎない。ITを調達、販売、受注管理をはじめとする収益直結型の業務に利用できている中小企業は約1/3にとどまる。

 帝国データバンク「平成27年度中小企業の成長と投資行動に関する調査」(中小企業庁委託)によると、中小企業がITに関心がありながらIT投資を行わない理由として、「ITを導入できる人材がいない」(43.3%)、「導入効果が分からない、評価できない」(39.8%)「コストが負担できない」(26.3%)「適切なアドバイザー等がいない」(19.3%)などが挙げられている。

商工会議所はIT導入の頼れる支援者

 税務については税理士、法務については弁護士というように、外部の専門家は大きな力となる。では、社内にITを導入できる人材が不足しているなら、誰の力を借りればよいか。

 IT専門の外部支援者としては、経済産業省が推奨するITコーディネータが全国に約6500人いる。この中には中小企業診断士も含まれる。ITコーディネータ協会に設置されている「経営とIT化相談」窓口を通じて、最適なITコーディネータを紹介してもらうことができる。

 中小企業のIT導入時に最も活用されているのは、IPA(情報処理推進機構)「中小企業等のIT活用に関する実態調査」(2012年9月調査)によれば「地元のITメーカー・販売会社」だ。しかし、中小企業がIT導入の外部支援者として地元のITメーカー・販売会社を選ぶ率は高いものの、満足度はさほど高くない。「満足している」が51.8%、「あまり満足していない」が16.1%、「どちらともいえない」は32.0%と、満足度は半数程度にとどまる。一方、活用率は低いが、商工会議所・商工会の支援を受けた中小企業の満足度は、「満足している」が78.6%と非常に高い。

 商工会議所は、中小企業の創業や事業継続への支援を行う特別民間法人であり、全国各地に515カ所設置され、約125万の会員を有する。政策提言から、中小企業の創業・経営継続のための融資、専門家相談や検定試験の企画・運営、セミナー事業まで幅広く活動し、もともと財務面を中心とした経営支援のイメージが強い。会員であっても、IT導入の相談先として商工会議所は想起しにくいかもしれない。

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SID : 00131005

執筆=鯰 美紀

執筆=鯰 美紀

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