ケースで学ぶ職場のトラブル防止法(第1回)

職場ではどんなトラブルが起こっているのか?

2018.06.11

クリップについて

 社員には気持ちよく働いてもらいたい。気持ちよく働いてもらったほうが労働の生産性が上がり、明るく活気のある職場になる。ほとんどの経営者は、そう考えているのではないでしょうか。

 しかし、労使関係が契約による関係である限り、労使間にトラブルが起こることは必然かもしれません。ということは、会社は社員とトラブルになった場合のことを考え、コンプライアンスを徹底し、弱みを見せないことが必要となります。

 労働者と使用者の間には、どのようなトラブルが考えられるのでしょうか。これに関しては、過去にどのようなトラブルが発生し、どのような解決に至ったかを知っておくのが一番です。

 連載第1回は、トラブル例を紹介する前提として、厚生労働省が発表した「平成28年度個別労働紛争解決制度の施行状況」および「平成28年度都道府県労働局雇用環境・均等部(室)での法施行状況」のデータを踏まえ、労使間のトラブルを防ぐためには、どのようなことを知っておかなければならないかを考察してみましょう。

個別労働紛争解決制度の枠組み

 現在の個別労働紛争解決制度は、個別労働関係紛争解決促進法に基づく(1)労働相談(2)労働局長による助言・指導(3)紛争調整委員会によるあっせん(均等法に基づく「調停」を含む)が行われています。

 なお、均等法に基づく「調停」とは、「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」「パートタイム労働法」の3つに、2016年4月から「障害者雇用促進法」を加えた4つの法律に該当する相談に対して行われるもので、都道府県労働局雇用均等室で行われるものです。

(1)労働相談センター
 2017年4月1日現在、全国の都道府県労働局と労働基準監督署など380カ所に設置された労働相談を受けるための窓口です。労働基準法などに違反している案件については、労働基準監督署の行政指導などによる解決が図られます。民事上の個別労働相談については、都道府県労働局長による助言・指導または紛争調整委員会によるあっせんが行われます。

(2)都道府県労働局長による助言・指導
 民事上の個別労働紛争について、都道府県労働局長が紛争当事者に対して解決の方向を示すことにより、紛争当事者の自主的な解決を促すものです。

(3)紛争調整委員会によるあっせん
 当事者の申請によって行われます(図表1)。都道府県労働局の職員が、被申請者の参加の確認や被申請者の主張や事情などについての事前調査を行います。あっせんは、通常弁護士や大学教授など労働問題の専門家である委員1人が担当し、個別(労使が顔を合わせることはありません。それぞれ別に呼び出され、事情を聴かれることになります)で進められます。非公開であり、原則、1回の調査で終結します。あっせんに基づく当事者間の合意は、民事上の和解契約となり、合意に至らなければあっせんは「打ち切り」となり終了します。

◆図表1 個別労働紛争解決制度の枠組み

出所:「平成26年個別労働紛争解決制度の施行状況」より

 

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