ビジネスを優位に導くソフトウエア・サービス(第5回)

ビジネスチャット。安全・手軽なコミュニケーション

2020.06.17

クリップについて

 在宅勤務を行うビジネスパーソンの中で課題なのが、細かいコミュニケーション不足から生まれる孤立感だ。自宅での作業は効率が落ちるとの声もある。そこで役立つのがビジネス用のチャットだ。手軽なコミュニケーションが生産性アップを促す。

 オフィス勤務では、職場内コミュニケーションが対面で行える。しかし、テレワークでは電話、メール、Web会議など、対面以外の手段ですべてを賄う。日ごろからこれらのツールを使い慣れていても、細やかな意思疎通には不十分と感じるケースは少なくない。そこで、便利で気軽に使える「チャット」をビジネスでも積極的に活用しようという動きが広がっている。

チャットは便利だがセキュリティに不安

 チャットとは英語で「雑談・おしゃべり」を意味する。もともとはパソコン通信の掲示板で使われていた機能で、リアルタイムでメッセージをやり取りできる便利さから、主に趣味仲間や身近な友人とのコミュニケーションに使われてきた。「メッセージ交換ならメールがあるのでは?」と指摘する向きもあると思うが、メールでは送信のつど名乗りやあいさつが必要な場合も多く、簡潔明瞭にやり取りする感覚では使いづらい面がある。その点チャットは用件をストレートに伝えて返答が得られる。結果的にスムーズな意思疎通が図れるメリットがある。

 プライベートなチャットで使われるアプリには「WhatsApp」「Facebook Messenger」「WeChat」などがある。日本では「LINE」が大きな存在感を示している。これらのアプリは特に利用目的を限定していないので、社内連絡用などビジネス用途にも使われる。しかし、上記アプリの多くは無料で簡単に使える半面、ビジネスでの利用にはセキュリティに若干不安を感じる部分があるのも事実だ。「チャットは便利だけれど、仕事で使うには不安」というユーザーに向けて、各社から多彩なビジネス用チャットサービスが提供されている。

ビジネスチャットの比較

 NTT西日本グループのNTTネオメイトが2020年4月から提供を開始した「ELGANA」は、ビジネス利用に特化したチャットサービスで、日々の業務で求められる機能を幅広く備えているのが特徴。

 マイクロソフトの「Microsoft Teams」は、同社のOffice365アプリを使った業務を、効率的に進める手段として開発されたソリューションだ。チャットでの打ち合わせを踏まえた文書作成や多言語翻訳機能などを使って、共同作業を効率的に進められる。

 チャットワークの「Chatwork」は、他社に先駆けてコミュニケーションツールとしてのチャット利用を提案したクラウド型サービスだ。

 ビジネスワークスモバイルジャパンの「LINE WORKS」は、個人用チャットツールとして定評のあるLINEの使い勝手を手軽に応用できるのが特徴。日ごろから見慣れた画面の操作は、テレワーク導入時のユーザー教育に余裕がない場合などに便利だ。

 チャットを独自の発想で捉える企業もある。例えばChatworkは、ほとんどのサービスに搭載される既読通知機能を採用していない。これは、ビジネス上のコミュニケーションには既読確認の効果が少ないとの認識に基づく。これらのツール以外にも、企業で利用されるグループウェアにはチャット機能を備えた製品が多数あるので、導入に当たってはどのサービスが自社のスタイルに合っているか、十分に検討することが大切だ。

【ビジネスチャットの比較】

ELGANAの特徴

 「ELGANA」は、ビジネスユーザーの業務効率化に関する4つの機能が提供される。チャットを行う「トーク」の画面は受発信が左右に分かれたデザインで、より直感的な操作を可能にした。1対1の会話のほか大人数のグループチャットに対応し、スタンプ送信もできる。用途に応じて、モバイル版とWebブラウザー版の両方が利用可だ。

トークの画面。通知や既読も出る

 

 「タスク」は、業務の報告・連絡・相談(ほうれんそう)を行うツール。案件ごとのタスクをテンプレートから簡単に作成し、管理できる。「そう言えば、あの件どうなってる?」のようなちょっとした確認をしにくい環境では、ぜひ有効活用したいツールだ。その他、各部署の社員や関係者を一元的に登録・管理する「連絡先」、電話と同じように登録者と会話できる「音声通話」などが装備される。

タスク画面。期限を設けて簡潔にタスクを依頼できる

 

 セキュリティの部分でも、ELGANAは先進的な仕組みを構築している。全システムはNTTグループの国内データセンターで運用され、万一のトラブル発生時には利用ログを確認して不正・不適切な利用を解析可能だ。また、利用承認はユーザー、端末ごとに行えるほか、端末紛失時にはデータ削除により情報漏えいを防止できる。

 しかもELGANAは、導入実績ID数の合計は約3万以上(2020年4月時点)で、NTTグループのコミュニケーション基盤の一部として導入されている。利用登録には専用Webサイトからの申し込みが必要だが、サービス内容の理解を深めるために3カ月の無料トライアル期間が設けられている。初めてチャットシステムを導入するユーザーも安心して利用できるだろう。

 テレワークでは上司、部下、同僚の姿が見えにくい。孤立感や“個業化”が進行すると、次第にモチベーションが低下してしまうかもしれない。SNS感覚で気軽に声を掛け合うことは、人とのつながりを維持するためにも重要だ。コミュニケーション活性化支援策と目されるチャットサービス。検討してみてはいかがだろうか。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

SID : 00134005

執筆=林 達哉

執筆=林 達哉

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