人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”(第16回)

銀行の「格付け」にまつわる裏話

2020.02.07

クリップについて

 顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。その第16回は、銀行が中小企業をどのように格付けしているのかを解説します。格付けは融資を受ける際に大きな影響を及ぼしますから、格付けのポイントを押さえておくことが重要だと、古田土氏はアドバイスします。

 古田土会計ではお客さまの会社の決算書に「財務格付ワークシート」を添付して、都市銀行と同じ基準で格付けをして、銀行がお客さまの会社をどのように評価しているかを説明しています。格付けは定量評価のみで、決算書の数字を入力すると自動的に2決算期間の格付けが判定されるようにしています。

 格付けは1~10まであり、自動的に計算される最低の格付けは7です。8~10は出しません。8は要注意先、9は破綻懸念先、10は実質破綻先です。出さないのは、これは銀行が判定するものだからです。先日ある都市銀行の方から、銀行の格付けの仕方について裏話を聞くことができました。裏話ですから、話半分で読んでください。

銀行の企業評価が昔とは変わっている

 まず中小企業は、計算上の格付けが2とか3と高くなっても、付ける最高の格付けは4であること。貸倒引当率は1~7が2%、8の要注意先になると20%になり、9は80%、10は100%とのこと。

 8に格付けされると引当率が大幅に上がり、銀行としては自己資本が減るので貸し出しをしないばかりか、回収に走ります。回収額が増えると引当額が減り、自己資本額が増えるからです。

 なぜこの格付けが大事かというと、銀行の中で中小企業に対する見方が変わったからです。従来は担保主義で、総合的に与信判断していたものを、企業審査を標準化するため、定量評価(信用格付け)、定性評価によって判定するようになりました。従って、銀行から融資をしてもらうためには格付けを意識した経営が必要となります。

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執筆=古田土 満

執筆=古田土 満

法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。

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