人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”(第20回)人を躾(しつ)けるのではなく、企業を躾けよ

資金・経費

公開日:2020.06.05

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。その第20回は、会社の躾(しつけ)をすることの重要性です。なぜ、社員ではなく会社を躾ける必要があるのか、誰が躾けるのか、どのように躾けるのかについて解説します。

「人を躾けるのではなく、企業を躾けよ」

 この言葉は『儲かるメーカー改善の急所101項』(柿内幸夫著、日本経営合理化協会出版局)にある言葉です。該当箇所を引用します。

――多くの工場では、5S『整理、整頓、清掃・清潔・躾』を励行している。もちろんこれは良いことだが、ひとつ重要なことは、会社経営における『躾』とは、人に対してではなく、まず企業に対して行なわれなければならないということだ。企業の理念や方針が躾けられていないと、どんなに社員が5Sを実行しても形だけとなる。

 まさにその通りだと、私も考えます。経営理念、経営ビジョンがなかったり、社員に浸透していなかったりする状態で5Sの教育、実施をしても、「何のために」が抜けているため心の込もらない5Sとなり、徹底できないので会社の社風になりません。

 この状態では、社員は5Sをもうけるための技術としか考えません。そうではなく、全社員が経営理念・ビジョンを実現しようと、使命感を持って一丸体制になることで初めて、会社が躾けられている状態だといえるわけです。一部の社員が実践している程度では「お宅の会社には良い社員がいますね」程度で、会社の評価にはなりません。

人間は忘れる生き物だから、文章で伝える…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=古田土 満

法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。

【T】

「資金・経費」人気記事ランキング

連載バックナンバー

人気会計士が語る、小さな会社の経営“これだけ”

オンラインセミナー動画

人気
  • 新着記事

配信期間

配信期間:2023年9月15日(金)~2024年8月30日(金)

セキュリティ関連

【経済産業省サイバーセキュリティ課登壇】 サイバー攻撃に対して中小企業が取るべき対策とは