トレンドワードから効率化を読む(第3回)

AI(人工知能)とは?その歴史や種類などを解説

2020.03.16

クリップについて

 私たちの生活にも浸透しつつあるAIですが、「具体的なことはよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。AIはこれからも進化を続けることが予想されるため、知識は少しでも身に付けておいたほうが良いといえます。

 今回はAIについてよく分からないという方向けに、AIの定義や歴史について解説し、具体的な例についてもご紹介します。

「AI」とは?

 そもそもAIとは何か、どのような歴史をたどって今に至るのか、といった基本的なAIの概要について解説します。

<AIの定義と正式名称>

 AIの正式名称は「Artificial Intelligence」となり、日本語で表すと「人工知能」です。AIの定義にはさまざまな意見がありますが、おおむね「人工的につくられた人間のような知能や技術」を表すことが多いといえます。

 AIには大きく次の2つの特徴があります。

・自律性
・適応性

 自律性とは、常に人間による誘導(操作)を必要とせず、作業を実行することを指します。適応性は経験から学び、パフォーマンスを自分自身で改善するということです。

 まとめると、AIは人工的につくられ、全自動または半自動で作業を実行でき、経験からパフォーマンスを改善できる知能や技術、といえます。

<AIの歴史>

 AIの歴史は古く、1956年ごろに学問分野としてその歴史が始まりました。AIの歴史はブームと冬の時代を繰り返しており、現在は第3次ブームに該当します。

・第1次ブーム:推論・探索の時代(1950年代後半~1960年代)
・第2次ブーム:知識の投入でAIが賢くなる時代(1980年代)
・第3次ブーム:機械学習・深層学習(ディープラーニング)技術の発展(現在)

 ブームのたびにAIの技術は進化しましたが、技術的な課題などにより、一時的に人気が下がる時期が冬の時代となります。

 第1次ブームでは、AIは主にゲームやパズルを解くことを主目的としていました。ですがコンピューター性能の限界により、冬の時代が訪れました。第2次ブームでは、専門的な知識をコンピューターに投入し、複雑な問題をAIに解かせる試みが行われました。しかし、専門知識の投入の煩雑さや例外処理を柔軟に対応できず、またもや冬の時代に突入してしまいます。

 その後、機械学習・深層学習(ディープラーニング)技術の発展により、第3次ブームが起こり、現在に至っています。画像認識や自動応答などに活用されはじめ、AIはより実用的な技術へと昇華したのです。

<AIの発展に欠かせない機械学習とディープラーニング>

 第3次AIブームを支える技術として、機械学習とディープラーニングは欠かせません。機械学習とは、コンピューターが自ら学習を行うことであり、機械学習によってコンピューターは入力されたデータの分類・認識が行えるようになります。

 ディープラーニングは、機械学習の1つの手法です。「十分なデータ量があれば、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれるディープニューラルネットワークを用いた学習」を表します。人間の脳神経回路を模したアルゴリズムです。

 機械学習によるコンピューターの学習方法が確立され、ディープラーニングによって学習精度が高まったといえるでしょう。

AIには「特化型AI」と「汎用型AI」がある

 AIはさまざまな場面で利用されていますが、大きく2つの種類に分けられます。ここではその2つに該当する特化型AIと汎用型AIについて、それぞれの定義や特徴を見ていきましょう。

<特化型AIとは>

 特化型AIは、特定の決まった作業を実行するAIです。例えば、車の自動運転や人との会話、ゲームの相手など、特定の1つの作業に特化しているAIとなります。

 限定された作業に特化することで、人間以上のパフォーマンスを発揮するケースも珍しくありません。囲碁AIの「AlphaGo」が分かりやすい例で、囲碁の世界チャンピオンに勝てるほどの能力です。

 現在、世の中に普及するAIのほとんどが特化型AIです。特化型AIは機能を特化させることで、汎用型AIと比べてデータ収集や構築が容易にできる特徴があります。手書きの文字をデジタルデータ化するなど、人間の作業を効率化する目的で利用されることが多いAIです。

<汎用型AIとは>

 汎用型AIは特化型AIと違い、特定の作業に限定せず、人間のようにさまざまな作業・課題を解決するAIです。汎用型AIはより人間に近い知能・思考を持ち、あらゆる汎用的な作業を行います。

 現時点では、構築難易度の高さなどから汎用型AIは実用化されるまでのものは存在しません。しかし、これからのAI技術の発展により、ブレークスルーが発生すれば、汎用型AIが普及する可能性もあります。

 汎用型AIを語る上で覚えておきたい単語として「シンギュラリティ」があります。シンギュラリティとは、AIが発達し人間の知性を超えることを表しています。汎用型AIが完成するとシンギュラリティが起きるといわれているのです。

 人工知能研究の権威であるレイ・カーツワイル氏が執筆した「The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology」の中では、2045年にシンギュラリティへ到達すると予想されています。

さまざまな場面で使われているAI

 現在、さまざまな場面でAIが利用されていますが、具体的にどのような場面で利用されているのでしょうか。ここでは、日常生活とビジネスシーンに分けて、具体例を紹介します。

<日常生活で使われているAI>

 日常生活で使われるAIの例としては、次のものが挙げられます。

・お掃除ロボット
・AI搭載エアコン
・スマートスピーカー
・自動車の自動運転
・スマホの顔認証
など

 お掃除ロボットでは、AIで部屋をマッピングして、隅々まで自動的に掃除することが可能です。AI搭載エアコンは、外気温や室温の変化を学習し、人間にとって最適な温度を保つように自動的に判断して、温度を管理できます。

 スマートスピーカーは話しかけることにより言葉を認識し、AIが最適な回答をしたり、指示された動作を行ったりします。自動運転や顔認証も同様に、人間の認識・判断・行動といった一連の流れを、AIによって自動化・効率化します。

 日常生活で使われるAIは、私たちの生活をより便利で快適に過ごすために利用されます。

<ビジネスシーンで活躍しているAI>

 ビジネスシーンで利用されるAIの例としては、次のものが挙げられます。

ビッグデータ解析
ヘルプデスク用のチャットボット
・クレジットカードの不正使用検知
検索エンジンの最適化
・働き方の見える化
など

 ビッグデータとは、さまざまな種類・性質を持つ大量データを表します。データ量が多くなるほど、分析には多大な時間を要しますが、AIを活用することで価値のあるデータを見いだすのが可能です。

 ヘルプデスク用のチャットボットは、24時間365日稼働させられ、あらゆる質問に対して答えを示せる可能性があります。そのため、人間の作業負担を減らすことができます。

 クレジットカードの不正使用検知や検索エンジンの最適化では、人間の振る舞いをAIが覚えることにより異常な振る舞いを検知したり、より最適な結果を提示できたりします。

 働き方改革が叫ばれる昨今は、日々の業務の効率化を迫られる企業も少なくありません。業務の効率化のためには、日々の業務の可視化が重要であり、そのためにAIを活用する例も多くあります。特にビジネスシーンで活躍しているAIは、業務効率化に用いられることが多く、これからもAIは開発され続けると予想されます。

ビジネスシーンで活躍するAIもたくさん存在!

 AIは、人工的につくられた人間のような知能・技術で、1950年代後半から開発され続けており、現在は第3次ブームに該当します。AIを大きく分けると特化型AIと汎用型AIになりますが、現在普及しているAIのほとんどは特化型AIです。お掃除ロボットや自動運転など、日常生活で利用されるAIや、ヘルプデスク用のチャットボットや働き方の見える化など、ビジネスシーンで活躍するAIが存在しています。

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執筆=太田 勇輔

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

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