トレンドワードから効率化を読む(第4回)

働き方改革関連法案によって変わることを徹底解説!

2020.03.16

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 2019年4月から順次施行が開始している働き方改革関連法案ですが、具体的な内容や対応方法が分からない方も多いかもしれません。今回は、働き方改革関連法の概要や変更内容、具体的に対応すべきことについて、分かりやすく解説していきます。

働き方改革関連法ってなに?

 はじめに、働き方改革がどのようなものか、さらに働き方改革関連法の概要について解説します。

<そもそも、働き方改革とは>

 働き方改革は、一億総活躍社会の実現に向けて労働環境を大きく見直す国の重要施策です。少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、働き手のニーズの多様化、長時間労働と過労死問題といった日本の社会的背景から労働環境の見直しが求められ成立しました。

 働き方改革には3つの柱があり、働き方改革の要となっています。

・長時間労働の是正
・多様で柔軟な働き方
・雇用形態にかかわらない公正な待遇確保

 働き方改革は、一人ひとりがより良い働き方ができる環境を用意し、労働力の確保・労働生産性の向上を目的としています。

 より詳しく働き方改革について理解したい方は、厚生労働省のガイドラインに詳しく記載されているため、そちらをご参照ください。

<働き方改革関連法とは>

 働き方改革関連法は、働き方改革の推進を目的とした労働関係法を改正するための法律です。2018年6月に成立し、2019年4月から大企業を始めとして順次施行されています。

働き方改革関連法に含まれる改正された労働関係法は、次の8つの法律が該当します。

・労働基準法
・じん肺法
・労働施策総合推進法
・労働安全衛生法
・労働者派遣法
・労働時間等設定改善法
・パートタイム・有期雇用労働法
・労働契約法

 働き方改革関連法の対象企業は「大企業」と「中小企業」に分けられます。なお、分類別に働き方関連法の施行時期は異なるので注意が必要です。

働き方改革関連法の成立によって変わること

 働き方改革関連法が施行されることにより、具体的にどのような対応が必要となるのでしょうか。大企業と中小企業で対応すべき内容は変わりませんが、施行時期が異なります。具体的な内容と合わせて、大企業と中小企業の定義からそれぞれの施行時期について見ていきましょう。

<働き方改革関連法における中小企業と大企業の定義>

 厚生労働省などが公表している資料を参考に、中小企業の定義を表にしました。こちらの表に該当しない企業は大企業に分類されます。

引用元:時間外労働の上限規制 分かりやすい解説(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)

 この後紹介する施行時期は、大企業と中小企業で異なるため、どちらの分類に該当するかしっかりと確認する必要があります。

<働き方改革関連法の改正内容と施行時期>

 働き方改革関連法の内容や施行時期については次のようになります。

 大企業では、2020年4月以降はすべての内容に対応しなければなりませんが、中小企業は若干ですが時期に余裕があります。しかし、いずれにせよ対応するべき内容は複数あるため、しっかりと準備することが重要です。

働き方改革関連法の施行で企業が対応すべきこととは?

 ここからは、働き方改革関連法に関連して企業に求められる対応について解説します。施行時期が2019年4月の部分については、大企業は対応済みですが、中小企業の場合これから対応することになります。そのため、ここでは中小企業のみ対応が必要なものと、大企業も対応が必要なものとで分けて記載します。

<【中小企業】今から対応すべきこと>

 大企業は対応済みであり、中小企業がこれから対応するべき内容は次の2つです。

・残業時間の上限規制
・月60時間超の割増賃金率引き上げ

 中小企業における残業時間の上限規制は、現時点では法律に定められた上限がありません。しかし、2020年4月以降は大企業と同じく、法律によって残業時間の上限が以下のように定められます。

(原則的な上限)
・月45時間以内
・年360時間以内

(臨時的な特別の事情がある場合の例外的な上限)
・年720時間以内
・複数月平均80時間以内
・月100時間未満

 従業員の勤務管理と合わせて、労働環境の改善が必要です。また、月60時間超の割増賃金率引き上げでは、2023年には、現状の25%から50%への引き上げが求められます。労働状況の把握と残業時間削減のための労働生産性の向上対策、賃金制度整備などが必要です。

 これらの内容は、大企業では対応済みであるため、モデルケースとして参考にするとともに、働き方改革の支援策を活用するとよいでしょう。支援策の中には、専門家による無料相談や設備・IT導入等による生産性向上&業務効率化支援のための助成金・補助金制度があります。

 働き方改革の支援策については、政府広報の「働き方改革を知ろう!」をご参照ください。

<【大企業・中小企業】今から対応すべきこと>

 大企業、中小企業問わず、すべての企業でこれから対応すべきこととして、「同一労働同一賃金」の対応があります。「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」に含まれる対策の1つですが、ポイントは次の2つです。

・同一企業内で働く正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差をなくす
・労働者からの待遇差に関する質問に対応できるようにする

 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間で、賞与や手当を含む賃金、福利厚生などの待遇に不合理な待遇差があってはいけません。労働者間の待遇差に関して取りまとめ、待遇差がある理由を明確にしましょう。待遇差について労働者から質問された場合は、不合理でないことを説明する義務が生じるため、労働者へ説明する内容を文書化するなどして対応します。

 労働者間に不合理な待遇差があると判断される場合には、早急に改善計画を立てて取り組む必要があります。

働き方改革の推進に合わせてテレワークの導入を検討してみては?

 働き方改革関連法は、働き方改革の推進を目的とした労働関係法を改正するための法律です。働き方改革関連法により、残業時間の上限規制や月60時間超の割増賃金率引き上げなど、さまざまな対応が求められます。施行時期は大企業と中小企業で異なりますが、中小企業でも施行開始しているものもあり、2020年4月からはさらに対応が求められるものが増えます。

 残業時間の上限規制などにより、今まで以上に業務効率化が必要です。

 業務効率化を進めていく上で、今注目されている業務体系が「テレワーク」です。テレワークは労働者の負担軽減だけでなく、企業や事業者側も通勤・出張の移動費、オフィススペースの削減などのメリットが得られるものです。

 NTT西日本では、企業経営の成長戦略としてテレワークの導入を考える企業向けに「パソコンおまかせプラン」をご用意しました。テレワークでは、情報漏えいリスクなどのセキュリティリスクに対応することが重要課題です。「パソコンおまかせプラン」でご提供するパソコンでは、データはクラウド上に保存され、パソコン端末にデータを残さないデータレス仕様の高セキュアなリモートワーク環境を実現しています。

 働き方改革の一環として、テレワークの導入をお考えであれば、パソコンの導入から廃棄までを一括で請け負う「パソコンおまかせプラン」をぜひご検討ください。

監修=古澤拓(ふるさわ・たく)
弁護士。東京大学法学部卒業後、2014年に弁護士登録。以後は4年半ほど法律事務所にて執務した後、現在はスタートアップ企業の法務にて勤務中。法律事務所にて執務中には、メガバンクの法務部への出向なども経験。

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執筆=太田 勇輔

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

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