トレンドワードから効率化を読む(第23回)営業職がテレワークを導入するメリットとは?

テレワーク 人材活用

公開日:2020.12.15

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 新型コロナウイルスの影響によって、多くの企業がテレワークの導入を進めています。営業職に関してもテレワークが必要になりつつあります。

 営業職は、信頼関係を構築しながら課題解決に向けたサービス・商品を提供する業務です。顧客と対面して向き合う仕事ではありますが、業務効率化を図るうえでも営業職こそテレワークを導入する重要性が高いといえるでしょう。

 今回は、営業職にもテレワークが導入されつつある現状について触れ、営業職にテレワークを導入するメリットやデメリット、営業職にテレワークを導入の際のポイントについて解説します。

営業職にもテレワークが導入されつつある現状とは

 従来の営業活動は、顧客先に直接出向いての商談や飛び込み訪問などをしていました。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、人との接触をできるだけ避けるようになった今日では、そのような営業活動は難しくなっています。

 コロナ禍によるテレワーク時代が到来している現在、営業職においても対面による営業活動のみならず、テレワークを中心とした営業活動に変えていかなければならない状況に置かれています。

 テレワーク導入以前では、営業職は販売目標等のプレッシャーはある半面、顧客との関係性やアポイントの予定に合わせて、ある程度自由な行動を取れました。

 また業務評価においても、受注件数などの数値目標の達成が評価基準として大きいものの、営業活動の「量」によっても評価がされる傾向にありました。極論すれば、「成果」が出なくとも、顧客先に出向いた「プロセス」が評価される状況にあったといえます。

 しかし、テレワーク時代の営業職はそうはいきません。

 テレワークの導入によって人事評価の基準として、より成果が求められるようになります。成果を挙げる人は評価が高く、成果を挙げられない人は評価が低くなる可能性が出てきます。

 成果が求められるのは営業職に限った話ではありませんが、営業職においてはテレワークを活用して成果を残すことが重要になってくるといえるでしょう。

テレワークを営業にも導入する際のメリットとデメリット

 営業職でも実施できるテレワークはメリットをもたらす働き方ですが、同時にデメリットも存在します。

 営業にテレワークを導入するメリットとデメリットを見ていきましょう。

<メリット>

・業務の効率化
 営業職は顧客先へ出向くケースが多く、従来は多くの時間を移動に費やしていました。 しかし、テレワークはオンラインでつなげられるので、移動時間を削減して業務の効率化に役立てられます。 その分、顧客とのコミュニケーションや資料作りなどに時間を割り当てることが可能になります。

・コスト削減
 顧客へ提示する資料の印刷代や移動費・交通費など、従来の働き方でかかっていたコストをテレワークの導入によって削減できます。 テレワークはオンラインベースでコミュニケーションを取るので、資料もデジタルになりペーパーレス化を図れます。 また、顧客先に出向く必要がなくなると移動費や交通費、さらにはオフィスも不要になり、オフィスの賃料などのコスト削減が可能です。

働き方改革の推進
 2019年4月施行の「働き方改革関連法」で、テレワークは重要な施策の1つです。テレワークの導入と活用で、会社組織内での働き方改革が具現化されます。 ワーク・ライフ・バランスの充実や業務効率の向上のほか、働き方改革に取り組む姿勢を社内外へアピールすることで、優秀な人材の確保や、育児・介護などによる離職率の低下にもつながります。

<デメリット>

ICT環境の整備にコストがかかる
 従来の働き方と同等以上の環境をテレワークで実現するには、ICT環境の整備が必須になります。しかし、そのために発生するコストがデメリットになる場合もあります。 ネットワーク環境や従業員が利用する端末の準備だけでなく、テレワークを実施するための社内ルールの整備やセキュリティ対策にもコストがかかります。

・マネジメントが難しい
 テレワークは新しい働き方なので、従来のマネジメント手法では適切に管理できなくなる場合もあります。直接対話するときと比較するとコミュニケーションを取るのが難しく、円滑な情報共有ができずに組織運営が難しくなるなどが考えられます。 また、勤怠管理や人事評価といった労務管理も難しくなるでしょう。このように、総合的な従業員のマネジメントが難しくなる点がデメリットになります。

・顧客とのコミュニケーションがスムーズにいかない
 顧客とも対面でのコミュニケーションではなくなるので、スムーズにやり取りができない可能性が考えられます。 自社がテレワークを導入しても、顧客がテレワークに対応していなければ商談や取引ができないケースもあり得ます。顧客とは、相手ごとにコミュニケーション方法を考える必要があるでしょう。

テレワークを営業に導入する際のポイント

 テレワークを営業に導入する際には、顧客との関係性維持に注力して対応するのがポイントになります。

 テレワークを営業に導入する際の具体的なポイントについて、1つずつ見ていきましょう。

<セキュリティ対策を万全に>
 テレワークはインターネットを経由して社内ネットワークや社内システムを利用するので、不正アクセスマルウエアなどへの感染によるセキュリティ事故には十分に気を付ける必要があります。

 もしも、対策が甘く、セキュリティ事故を起こしてしまうと、顧客からの信頼を失いかねません。最悪の場合は顧客を巻き込んだ大きな事件に発展することも考えられます。

 そのような事故を防ぐうえでも、VPNを利用した接続の暗号化IDS(侵入検知システム)などのセキュリティシステムの導入と併せて、従業員へのセキュリティ教育実施を徹底するなど、万全なセキュリティ対策が重要になります。

<顧客フォローと顧客開拓手段をオンライン化>
 従来、顧客フォローや顧客開拓はオフラインでやっていました。これをオンライン化することは、テレワークを営業に導入する際のポイントの1つになります。

 顧客フォローは電話やメールだけでなく、Web会議システムを利用したコミュニケーションに置き換える方法が考えられます。

 顧客開拓はデジタルマーケティングを中心に、インターネット広告の活用やオンラインセミナーの開催など、営業活動のオンライン化を図るのがポイントです。

<営業支援ツールを導入>
 営業支援ツール(SFA)は、顧客リストや案件情報などの営業活動に関わる情報をリアルタイムに共有するツールです。営業職の従業員ごとの業務プロセスが可視化され、テレワークにおける従業員のマネジメントにも生かせます。

 加えて、営業活動の進捗状況も共有できるので、チーム編成や案件の優先順位を臨機応変に変化させ、業務効率を高めることもできます。

 また、営業活動を可視化させると個々の営業プロセスも明らかになります。成功事例や失敗事例を客観的に考察できるようになり、最適な営業プロセスの構築につなげる材料となります。

<セキュリティ対策の徹底を>
 テレワークはインターネットを経由して社内ネットワークや社内システムを利用するケースが多いので、不正アクセスやマルウエアなどへの感染によるセキュリティ事故には⼗分に気を付ける必要があります。

 もしも、対策が甘く、セキュリティ事故を起こしてしまうと、顧客からの信頼を失いかねません。最悪の場合は顧客を巻き込んだ大きな事件に発展することも考えられます。

 そのような事故を防ぐうえでも、VPN を利用した接続の暗号化や IDS(侵入検知システム)などのセキュリティシステムの導入と併せて、従業員へのセキュリティ教育実施を徹底するなど、セキュリティ対策が重要になります。

テレワークの導入時のセキュリティ対策には「セキュリティおまかせプラン」

 顧客とは対面での商談が当たり前だった営業職ですが、新型コロナウイルスによってテレワークの導入が加速すると、営業職でもテレワークの導入が進められるようになりました。

 テレワーク時代の営業活動は、プロセスよりも成果が重視されるケースがあります。

 従来はオフラインで対応していた営業活動をオンラインに移行すると、業務効率化やコスト削減などのメリットが期待できます。

 テレワークの導入が進むこの機会に、営業職にもテレワークを導入してはどうでしょう。

 ただ、テレワークの導入には ICT 環境の整備にコストがかかることや、セキュリティ対策などに精通した ICT に詳しい人材が社内にはいないなどの課題があります。

 NTT ⻄日本では、進化し続ける脅威に対して、セキュリティ対策を複合的に組み合わせた「セキュリティおまかせプラン」をご用意しています。このプランでは、ゲートウェイでの防御や、企業向けセキュリティ対策ツール、サポートセンターでの通信監視・ 復旧支援など、手厚いサポートでセキュリティ対策をサポートします。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

【M】

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