ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第43回)

スコアをアップさせる「相手ファースト」思考

2019.02.22

クリップについて

 いきなりですが、ここで心理テストをしてみましょう。あなたは、あるトーナメントで優勝争いをしているプロゴルファーです。最終日の最終ホール、あなたはすでにホールアウトしていて、優勝争いをしているライバル選手のパッティングを見守っています。相手選手がこれを外すと、あなたの優勝が決まり、入れるとプレーオフという状況です。さて、あなたはどんな思いで相手選手を見ているでしょうか。「外してくれ!頼む!」でしょうか、それとも「入れて来い!プレーオフでもう一勝負だ!」でしょうか。

物事のパフォーマンスを高める「フロー」

 「外してくれ!頼む!」と思った人は、プレーオフになったときには、残念ながら優勝の可能性は低くなり、「入れて来い!プレーオフだ!」と考えた人の方が、優勝の可能性は高くなるでしょう。

 なぜでしょうか?「外してくれ」というのは、相手のミスを期待するネガティブ思考です。「よし来た!」という人こそが、自分の実力で優勝をもぎ取ろうとするポジティブ思考です。相手のミスを期待し、それがかなわなかったとき、その選手のココロには、大きな「ノンフロー」の風が吹きます。そのような状態でプレーオフに挑んでも、勝てる確率は低くなります。

 ノンフローとは応用スポーツ心理学の言葉で、人間の機能を低下させ、パフォーマンスの低下を招くココロの状態です。不安や恐れ、極度のプレッシャー、イライラしたりカリカリしたりといったネガティブなココロの状態はノンフローの代表格です。一方、ウキウキ、ワクワク、ご機嫌で前向き、ポジティブなココロの状態を「フロー」といい、人間の機能を最大限に高め、物事のパフォーマンスを高めます。

 上記の例では、相手選手を応援し、ベストプレーを望んだ選手はココロがフローになり、ハイパフォーマンス状態でプレーオフに挑めるでしょう。故に、プレーオフを制する可能性がグッと高まります。優勝経験の多い一流選手は、経験的にそのことを知っているから、相手のミスを期待したりはしないのです。

ゴルフは「相手ファースト」が前提… 続きを読む

続きを読むにはログインが必要です。
まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

SID : 00032043

執筆=小森 剛

執筆=小森 剛ゴルフハウス湘南

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

連載記事≪ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」≫

PAGE TOP

閉じる
会員登録(無料) ここでしか読めないオリジナル記事が満載
閉じる