IT化スモールスタート解説(第9回)

ペーパーレス化のメリットや進め方を解説

2020.03.31

クリップについて

 オフィスのペーパーレス化は、1970年代ごろから始まったといわれます。これまで、オフィスのペーパーレス化はたびたび話題に上がりましたが、ここ数年で再び注目されつつあります。

 今回は、ペーパーレス化の基本から、メリット・デメリットなどについて解説します。併せて、これまでペーパーレス化が普及しなかった理由や、ペーパーレス化を進めるポイントを紹介しますので、ぜひご覧ください。

ペーパーレス化の基本

 ペーパーレス化とは端的に言えば「紙に印刷していたものをデジタルデータにすること」です。国もペーパーレス化を推進しており、そのための法整備も行われています。

 電子帳簿保存法やe-文書法など、企業の文書運用は法律によって定められています。2016年の法改正により、契約書や決算書類、領収書の電子保存が可能となりました。さらに、2018年に閣議決定された「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を見ると、電子政府の実現に向けてペーパーレス化は避けて通れないものなのが分かります。

 ペーパーレス化は地球環境に配慮する動きでもあります。紙類の原材料は森林の木材です。ペーパーレス化を進めると、環境保護やCO2削減に貢献できるのです。

 もちろん、企業側にも大きなメリットがもたらされます。情報の共有時間の短縮や、情報検索・閲覧のしやすさが向上するなど、業務効率化を進める上でもペーパーレス化は推進するべき対策です。

 しかしながら、まだ日本ではペーパーレス化に対応できていると言いにくいのが現状です。その詳細については後ほど紹介します。

ペーパーレス化のメリット・デメリット

 ペーパーレス化について、業務効率化の観点からメリットとデメリットを見ていきましょう。これからペーパーレスに対応するためにも、メリットとデメリットは把握する必要があります。

<ペーパーレス化のメリット>

 ペーパーレス化によるメリットとしては、次のものが挙げられます。

・情報の検索が容易にできる
・紙代や印刷代などのコスト削減
・紙資料の保管スペースが不要になる
・社内、社外への情報共有が容易になる
・資料の閲覧場所の制限がなくなる
・情報セキュリティ、BCP対策ができる

 アナログデータからデジタルデータに変わることで、このようなメリットを享受できるようになります。特に膨大な量の紙資料を業務で利用している場合、デジタルデータにすれば情報の検索や共有が容易に行えるようになり、業務効率化に大きな効果をもたらすでしょう。

<ペーパーレス化のデメリット>

 反対にペーパーレス化によるデメリットとしては、次のものが挙げられます。

・ペーパーレス化に慣れるまでに時間がかかる
・データ化できない書類もある
デバイスによっては文字が読みにくくなる
・データ消失のリスクがある

 紙を使った文書に親しんできたため、なかなかデジタル文書に慣れないケースも考えられます。また、ペーパーレス化によってパソコンやスマートフォンなど、多くのデバイスで閲覧が可能になりますが、デバイスによっては読みづらくなる場合もあり得ます。

 その他には、データ化で紙よりも削除(廃棄)しやすくなる点も注意が必要です。誤操作で消してしまう可能性も、デメリットといえるでしょう。

ペーパーレス化が難しいといわれる理由

 古くからペーパーレス化の流れはありますが、日本ではまだ対応できているとは言い切れません。その背景には、ペーパーレス化が難しい3つの理由があります。

<ペーパーレス化のための導入コストが高い>

 1つ目の理由は、導入コストが高いことです。ペーパーレスを実現させるには、デジタル機器の導入が欠かせません。パソコンやタブレットなどのデジタル機器を各社員に提供する必要があります。

 また、デジタル機器を導入する際には、セキュリティ対策も必要です。機器の導入費用やセキュリティ対策費など、導入コストが高くなる傾向にあり、ペーパーレス化が進まない理由の一つとなっています。

<ペーパーレス化の周知に時間がかかる>

 2つ目の理由として、周知に時間がかかることが挙げられます。社員ごとにITリテラシーには差があります。デジタル機器に苦手意識を持つ人は、慣れた紙資料に頼ってしまいがちです。

 ペーパーレス化の失敗例として、紙資料をデータ化したにもかかわらず、個々の社員が自分で使う用に印刷し、全体としては紙の消費量が変わらないという事例があります。

 ペーパーレス化を成功させるには、社員一人ひとりへの周知徹底が重要です。それには時間を要します。これもペーパーレス化が難しいといわれる理由の一つになっているのです。

<企業間のペーパーレス化の足並みがそろわない>

 3つ目の理由は、企業間のペーパーレス化の足並みがそろわないところです。

 社内のペーパーレス化が成功しても、ペーパーレス化していない会社との取引では、どうしても紙の契約書などが必要になってしまいます。

 企業間のペーパーレス化の足並みがそろわないまま、自社だけでペーパーレス化を行っても、コストだけがかかる結果になりかねません。政府主導でペーパーレス化を推進していますが、足並みがそろわないことこそ、ペーパーレス化が難しい最も大きな理由といえるでしょう。

ペーパーレス化を進める方法

 ここでは、ペーパーレス化を進める方法として、進める際のポイントと役立つツールについて紹介します。

<ペーパーレス化を進めるポイント>

 まずはペーパーレス化を進めるのに必要な4つのポイントを見ていきましょう。

・ITリテラシーが低い人でも使える環境づくり
 ペーパーレス化を進めるには、まずは環境を準備しなければなりません。ITリテラシーが高くない人でもペーパーレス化ができるように、タブレットなどを導入し、教育することで環境づくりを行います。

・紙とデジタルデータを併用する
 ペーパーレス化する書類としない書類を分け、紙の資料とデータ資料を併用することを考えましょう。初めから完全なペーパーレス化は難しいものです。

 例えば、社内で利用する書類はデータ化、社外資料は紙の資料といった形で、紙とデジタルデータを併用します。社員や取引先の状況を見ながら、徐々に完全ペーパーレス化に移行するように進めるとよいでしょう。

・ペーパーレス化の代行サービスに依頼する
 ペーパーレス化には、非常に時間と労力が必要となります。ペーパーレス化のために人員を割けないケースも多いのではないでしょうか。

 そんな場合には、ペーパーレス化を代行するサービスの利用をお勧めします。ペーパーレス化には専門知識が求められる場合もあり、プロの代行サービス利用も検討してはどうでしょうか。

<ペーパーレス化で役立つツール>

 ペーパーレス化で役立つツールとして、次の3つが挙げられます。

タブレット端末
 タブレット端末は、手軽に取り出せて適度な画面サイズなため、ペーパーレス化にはうってつけのデジタル機器です。インターネットにも接続でき、クラウドサービスとの連携もしやすい特徴があります。

クラウドサービス
 クラウドサービスを利用すれば、社内にファイルサーバーなどを用意する必要がありません。また、クラウドサービスはインターネットを通じて利用するものなので、社外から資料を閲覧できます。

 ただし、セキュリティには気を付ける必要があります。クラウドサービス上に保存する資料データの種類は、よく吟味しなければなりません。

ペーパーレス会議システム
 ペーパーレス会議システムも、ペーパーレス化で役立つツールとして挙げられます。会議では多くの紙資料を扱う機会が多いですが、ペーパーレス会議システムを導入すれば、会議で紙資料を用意する必要がなくなります。

 手間の削減だけでなく、会議参加者の利便性向上にもつながります。ペーパーレス化の手始めとして、ペーパーレス会議システムの利用を検討してはいかがでしょうか。

ペーパーレス化で業務を効率化!

 ペーパーレス化は、紙に印刷していたものをデジタルデータ化することです。国もペーパーレス化を進めており、そのための法整備も行われています。

 ペーパーレス化することで、コスト削減や情報の検索が容易になるメリットがあります。その半面、ペーパーレス化に慣れるまでに時間がかかることや、データ化できない書類がある点など、デメリットも把握しておかなければなりません。

 ペーパーレス化はさまざまな理由から難しいとされています。しかし、紙とデジタルデータを併用したり、ペーパーレス会議システムなどのツールを導入したりすることから、検討してみてはどうでしょうか。

 ペーパーレス化を進めるサービスとして、NTT西日本では、AIを用いたOCRサービス「おまかせAI OCR」を提供しています。データ入力に割いていた業務時間の短縮化や、書類削減による省スペース化など、業務全体の効率化に貢献するサービスです。

 手書きのクセ字もしっかり高速に認識し、手書き訂正や訂正印のある紙資料も対応が可能です。また専用のサポートセンターにて「操作方法のご案内」や「トレーニング」からアフターフォローまで用意されています。

 ペーパーレス化の対応でお困りの方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。

※「おまかせAI OCR」は、AI inside 株式会社の「DX Suite」を活用しています
※「DX Suite」はAI inside株式会社の登録商標です

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執筆=太田 勇輔

執筆=太田 勇輔

ネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト保有。インフラエンジニアとして、官公庁や銀行などのシステム更改をメインに10年従事した後、IT関連ライターとして活動中。プログラミング、ネットワーク、セキュリティなどの解説記事を中心に執筆している。

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