読書でビジネス力をアップする(第14回)

一緒にいて疲れる人の話し方 楽な人の話し方

2016.06.02

クリップについて

一緒にいて疲れる人の話し方 楽な人の話し方
野口敏著
KADOKAWA

 話し方を変えることで、人間関係を改善することをめざす本です。聞いてもらえる話し方ができれば、周囲から評価され、最良の人間関係を築けるようになります。

 世の中には、誰からも好かれる人がいる一方、誰からも疎まれ、避けられる人がいます。その違いはコミュニケーションの仕方にあります。本書は、コミュニケーションの上手な人と下手な人を対比させながら、違いを分析していきます。そして、周りから愛され、大事にされる話し方を学びます。

 上司・同僚、友達、恋人・夫婦など、私たちの日常は人とのかかわりで出来ています。そのため、コミュニケーション下手だと、仕事も、プライベートもすべてダメ、ということになりかねません。

 反対に、コミュニケーションさえ改善できれば、人間関係のすべてを一挙に氷解させることができます。結果、人生は、あらゆる面で好転します。そう考えると、一度しっかり学ぶ価値がありそうです。もちろん、空気の読み過ぎもどうかと思います。ただ、物言いが、仕事や家庭に支障をきたしているとしたら問題です。ストレス無く、気持良く社会生活を送るためには、ある程度の気遣いは必要です。

下手に話すくらいなら聞き役に徹する

 本書には、話し上手と話し下手の対比が68個出てきます。これだけあると、すべてを習得するのは困難です。それでも、納得できた所、出来ていない所だけでも変えられれば、効果が出ると思います。職場でも、プライベートでも、どうも人付き合いが下手だと感じている人、もっと話を聞いてもらいたい人、認めてもらいたい人など、人間関係を改善したいすべての人にお勧めします。

 誰でも、疎まれる人にはなりたくありません。特に、人は年齢と共に、周りに注意してくれる人が減ります。だから、ますます自分で気を付けないと、知らず知らずのうちに嫌われていることがあります。私の場合、できるだけ人の話を聞くように心がけています。特に、飲み会の席などでは、できるだけ自分が話すのは後回しにして、ファシリテーター役として、周囲の話を引き出すようにしています。

 ただ、本当にできているかどうかは、いまひとつ自信がありません。なぜなら「自分は聞けている」という人ほど、実際には聞けていないことが多いからです。一般に、人は話し過ぎてしまうものです。少なくとも、相手はもっと聞いてほしいと感じています。試しに、部下や家族が話す間、意識して聴き手に徹してみてください。自分が話せないことに対してストレスを感じるはずです。

 もちろん「聞く」ことは、ただ「話さない」ことではありません。よくある間違いが、聞くふりをして、別のこと、例えば自分が次に話すことを考えているケースです。これは相手にも伝わります。

 人は、聞くより話すほうが好きなのです。だから、なかなか聞けないのです。つまり、聞き上手にさえなれれば、人間関係の多くは改善するのです。誰もが自分の話を聞いてくれる人のことが大好きだからです。本書にも「口ベタより、話し過ぎのほうが評価は低い」とあります。下手に話すくらいなら、聞き役に徹したほうが、ずっと効果的です。ぜひ、職場や家庭で試してほしいと思います。

 もちろん、いつも聞いているだけでは、自分が何者かが伝わりません。すると周囲との距離は縮みません。時には、思い切って自分のことを話す勇気も必要です。本書には、自分が話すときに役立つヒントもたくさん書いてあります。例えば「間を作る」「ゆったり話す」「テーマを決める」などは、すぐに実践できると思います。

 コミュニケーションは、本当にちょっとしたことで大きな効果が得られます。ぜひ、本書を読んで、気になるものから取り入れてみてください。人間関係が劇的に改善すると思います。

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執筆=藤井 孝一

執筆=藤井 孝一ビジネス選書WEB

ビジネス書評家、読者数5万人を超える日本最大の書評メールマガジン『ビジネス選書&サマリー』の発行人。年間1000冊以上の書籍に目を通し、300冊以上の書籍を読破する。有名メディアの書評を引き受けるほか、雑誌のビジネス書特集でも、専門家としてコメント。著書は『読書は「アウトプット」が99%』(知的生きかた文庫)のほか、『週末起業』など、累計50冊超、うちいくつかは中国、台湾、韓国でも発刊されている。

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