読書でビジネス力をアップする(第55回)

会社生活をズバッと見直すためのキッカケ本

2019.12.05

クリップについて


ロスの精神科医が教える 科学的に正しい疲労回復 最強の教科書
久賀谷 亮 著
SBクリエイティブ

 疲労回復の本です。「疲れているのは身体よりも脳である」とし、脳の疲労を回復し、パフォーマンスをあげるスキルをいろいろと紹介します。

 まずは、脳を仕事から切り離し、解放することでゆとりが生まれます。そのゆとりから「幸福感」を得ることができ、それが疲労回復につながります。その具体的な方法を教えます。25余年の経験から得た知見と科学的エビデンスに基づき、さらに比較文化的な視点も盛り込んだ内容となっています。いうなれば、ポスト資本主義時代の近未来における脳の使い方と疲労回復法です。

 現代人は、疲れています。だから、街にはドラッグストアがあふれ、テレビをつければ健康番組ばかりです。職場では、連日のようにメンタルに支障を来す人が生まれています。

 「その元凶は脳の疲労にある」というのが、精神科医である著者の見立てです。確かに、ネガティブな悩みを抱えて脳が常にアイドリング状態にあれば、脳は疲弊し、体も疲労していきます。だから、まずは脳に空白をつくるところから始めます。疲れた脳を休め、心と体を癒やせば、疲れを根底から退治することができます。本書には、そのための具体的な方法が紹介されています。

 例えば「打たれ弱いならマラソンをする」「科学的に心が落ち着く音楽がある」などです。すぐできる簡単な方法ばかりです。しかも、100本超の論文から導き出された科学的な方法です。

 「ストレスで眠れない」「他人に振り回されている」「コンプレックスに悩んでいる」「他人の目が気になる」「嫉妬が止まらない」、「月曜日が憂鬱」など、ストレスフルな日々を送る人にお薦めのラインアップとなっています。

 本書の冒頭には、ワールド・ハピネス・レポートの報告が紹介されています。この調査報告書によると、世界の3分の1の国々で、人々は不幸せになっているそうです。中でも日本は先進国の中で最下位という衝撃の内容です。物質的に恵まれ、医療は大幅に進歩しました。それなのに、私たちは、ますます不幸になっているのです。その原因が、脳の疲れから来ていることは間違いないと思います。

 なお、脳が疲労する原因の1つに、デジタル社会があるといいます。確かに私たちは四六時中、デジタル機器にさらされています。結果、脳はデジタルの処理速度に合わせなければならなく、それが負担になっていると書かれています。

 脳の疲労は、不眠やメンタルヘルスの悪影響を及ぼし、結果的に体も疲れさせていきます。それ故、元凶である脳の休息から始めるべき、との著者の主張には説得力があります。

疲労回復には仕事から距離を取るのがポイント… 続きを読む

続きを読むにはログインが必要です。
まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

SID : 00005056

連載記事≪読書でビジネス力をアップする≫

PAGE TOP

閉じる
会員登録(無料) ここでしか読めないオリジナル記事が満載
閉じる