中小企業のトレンド(第17回)

中小企業にも使える人工知能、人手不足の特効薬にも

2016.11.24

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 大企業での人工知能(AI)の実験が進み、成果が中小企業にも使える形になり始めた。飲食、ファッション小売り、製造業までその可能性は幅広い。人手の足りない仕事をAIに任せることで、人手不足解消にも効果を上げそうだ。

 「囲碁で人工知能(AI)が人間の棋士に勝った」「医師ですら見分けにくい特殊な病気の診断にAIが役立った」など、AIに関するニュースを目にする場面が増えた。

 しかし、まだ多くの中小企業経営者は「AIの恩恵を受けられるのは、研究機関や大企業の話。うちの仕事に使えるようになるのは先」と考えているのではないだろうか。実は、ここ2年ほどでビジネスへのAI応用でさまざまな成果が出ており、中小企業の手に届くものになり始めた。人手不足に悩む中小企業が解決策としてAI活用を検討すべき段階に入りつつある。

 人工知能ベンチャーの動向に詳しい、トーマツ ベンチャーサポート(東京・千代田)の松本雄大氏は「特定の専門分野で役立つ『特化型』のAIでは、ベンチャーと大企業が組んでいくつも実証実験が進んだ。その成果を中小企業にも使いやすいパッケージとして提供する例が今後増えてくるだろう」とみる。分かりやすく例えるなら、経理部門でクラウド型(ネット利用型)の会計ソフトに契約する感覚でAIを業務に活用できるようになりそうだ。

 では、どんな仕事でAIが活用できるようになるのか。

誰でもベテランの接客

 例えば、飲食店や小売店などでは、ベテランのフロアスタッフによる商品の薦め方をAIに学習させることが、販売支援に役立つ。ベテランの知恵を持つAIを組み込んだタブレット端末などを使って接客すれば、経験の浅いスタッフでも、ベテランに近い対応ができるようになる。

 中でも、飲食店向けの人工知能活用を手掛けているのがリノシス(東京・千代田)だ。過去の注文履歴や店の在庫状況などから判断し、ベテランの接客スタッフのようにお薦めの料理を判断できる仕組みを開発している。冷蔵庫内の食材の量や食材の傷みやすさなどさまざまな要素を考慮して料理を提案でき、接客向上とともに廃棄ロスも減らす。

現状のサービス提供先は大企業中心だが、「接客を向上させたい飲食や小売りは業界の裾野が広い。大企業向けは数百万円規模の店舗用システムにAIを組み込む形が多いが、今後は初期投資ゼロで月々の利用料だけで導入できるモデルをめざしたい」と、リノシスの神谷勇樹社長は話す。

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